「俺たちは何を見せられているんだ」
元ネタがよくわからないネットスラングですが自分たちの理解が追い付かない破天荒な光景が眼前に広がっている時に貼られる一言です。
ここでいう破天荒な光景にはあまり悲壮感はなくどちらかというと発想が斜め上過ぎて見ている者がずっこけそうになるシチュエーションで使われる言葉ですね。
オムライス、ハンバーグ、グリルチキン、生ハム、コーン、ツナサラダ、うずらフライ、醤油ラーメン、塩ラーメン、フライドチキン、フライドポテト、ストロベリーバニラパフェ、ティラミスモンブラン、カタラーナアイスブリュレなどなど
字面だけ見ると洋食屋かファミレスのメニューのように見えますがこれ全部、回転ずし屋さんのメニューに載っている寿司ネタやサイドメニューなのです。
昭和16年、日米開戦の年。
銀座の寿司屋さんが軍艦巻きという寿司を考案しました。
「あんなものは寿司じゃねぇ」と寿司好きからは非難轟々。
NHKラジオも「ゲテモノ」と断じたそうです。
昭和39年、東京オリンピックが開催された年。
ロサンゼルスの寿司屋でカリフォルニアロールと呼ばれるアボカドとマヨネーズを使った巻き寿司が登場。
そのニュースが流れた時も日本では「あんなものは寿司じゃねぇ」と言われたみたい。
そんな保守派の人たちが現代にタイムスリップしてきて回転ずし屋に行ったら……
なんて言うんでしょうねw
激怒して踵を返すのか。
怒るのも馬鹿馬鹿しくなって試しに食べてみたら意外にイケるじゃねぇかと感心するのか。
興味は尽きないところです。
とどのつまり料理にどんな食材を使うかなんてのは食べ合わせの悪いものや毒でもない限り作り手の自由。
その結果、旨いか不味いかを食べる人が決めれば良いだけの話な気が僕はします。
過日、豚の生姜焼きのお肉がちんまりと冷蔵庫に残っておりました。
おかずにする量じゃないよなぁ。
どうすべ?
と悩んでいてふと回転寿司屋のネタにイベリコ豚なんてのがあったのを思い出したのです。
だったらこれを生姜焼きにしてちらし寿司の具にするのもありなんじゃね? なんて思いましてこんな一皿を作ってみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:20分-
- ご飯:180g
- すし酢:18g
- 豚ロース肉スライス生姜焼き用:50g
- 卵:1個
- 椎茸:1本
- 人参:3mm厚スライス3枚
[豚の下味パート]
- 濃口醤油:6g(小匙1)
- 酒:5g(小匙1)
- 砂糖:3g(小匙1)
[卵の下味パート]
- 塩:ひとつまみ
- 砂糖:2g
[椎茸の甘煮パート]
- 水:100g(1/2カップ)
- 濃口醤油:6g(小匙1)
- 砂糖:3g(小匙1)
[人参のうま煮パート]
- 鰹だし汁:50g(1/4カップ)
- 塩:ひとつまみ
- 砂糖:3g(小匙1)
【作り方】
- 豚肉は5mmの細切りにして[豚の下味パート]と合わせて10分漬け込みます。
- 椎茸は軸を切り離して石突を落とし傘、軸ともにスライスします。これと[椎茸の甘煮パート]を小鍋に合わせて蓋をし強火で1分加熱します。蓋を取って弱火にし10分煮込みます。火加減を中火にし水気がほぼなくなるまで煮詰めます。 ※焦げ付かないよう注意しましょう。
- 人参は千六本に切って[人参のうま煮パート]と小鍋に合わせ蓋をして中火にかけひと煮立ちさせます。蓋を取って火加減を中火にし水気がほぼなくなるまで煮詰めます。 ※焦げ付かないよう注意しましょう。
- 卵と[卵の下味パート]を合わせてよく溶きます。フライパンに薄くサラダ油(分量外)を引いて中火にかけフライパンが温まったら卵液を流し込んで薄焼き卵を作ります。これを千切りにして錦糸卵にします。
- 豚肉を[豚の下味パート]ごと冷たいフライパンに入れて中火にかけ水気がなくなるまで炒りつけます。
- ご飯とすし酢を合わせてしゃもじで切るように混ぜて寿司飯を作ります。これに豚の生姜焼き、椎茸、人参、錦糸卵を混ぜ込めばできあがり。 ※具材は少量取り分けておいて盛り付けてからトッピングに使うと見栄えが良くなります。
【一口メモ】
- ちらし寿司の具材は生魚の専売特許ではありません。甘辛く焼いた豚肉も意外と酢飯に合うんですよ。
- この料理の陰の立役者は椎茸と人参。出汁の利いた甘辛い濃い目の味付けが良いアクセントになっています。
- 同じような発想で茹でた鶏むね肉(またはささみ)を細かく裂いて酸味の強い和風ドレッシングで和えたものを具材にしても美味しいです。侮りがたし肉系ちらし寿司。