ソーライスはソースライスの略で、ご飯にウスターソースをまぶしたご飯のことです。
大恐慌が起こった昭和5~6年頃、金のないサラリーマンたちを中心に百貨店の食堂でライスだけを注文してテーブルに備え付けのソースをかけて食べるというあまりお行儀の良くない食べ方が流行ったのが起源だそうです。
百貨店からしたら迷惑な話でライスのみの注文お断りという貼り紙を出そうという意見が大半をしめました。
ところが阪急社長の小林一三はそれに反対し、「ライスだけのお客様歓迎」という真逆の張り紙を貼らせたのです。
彼の凄いところは「困った時はお互い様」的な情に流されてそうしたわけでなくあくまでもビジネスマンの視点と展望を以てこのキャンペーンを張ったところです。
「確かに今はあの客たちは貧乏や。けど、あと10年もせんうちに家庭を持って出世もして今度は家族を連れて食事に出かける。その時に阪急百貨店の大食堂を選んでくれるような客に育てなあかんねん」彼はそう言ったそうです。
そして実際、後に大企業のトップが会合で集まった際に「あの時のソーライスはほんまに旨かった」なんて思いで話が交わされるようになったのです。
『客を育てる』という観念はその後多くの企業でお手本とされた理念となりました。
ということでソーライスを作ってみました。 さすがにソースをまぶして終わりでは様にならないので、百貨店の大食堂のまかないくらいにはなるように手を加えています。
【材料】(1人分)
-調理時間:5分-
- ご飯:1膳分
- ウスターソース:適宜お好みの量
- マーガリン:12g(大匙1)
- ハムかベーコン:1枚
- 玉ねぎ:1/8個
【作り方】
- フライパンにマーガリンを入れて中火にかけ融かします。
- 1.をやっている間に手早くハムと玉ねぎをみじん切りにしフライパンに投入します。そのまま中火で玉ねぎが透明になるまで炒めます。
- 2.にご飯を加えて木杓子で混ぜ込みながらよくまぶします。更にウスターソースを回しがけよくまぶせばできあがり。
【一口メモ】
- 元々は皿に盛ったライスにウスターソースをかけて食べるだけの料理でしたが焼き飯風にしてみました。チープさを残すため敢えてバターではなくマーガリンを使っています。
- ハム、ベーコン、玉ねぎは端切れで十分。食堂の賄い料理をイメージしていますので冷蔵庫のありあわせを適当に混ぜてください。
- このレシピの段取りポイントは工程1.で先にマーガリンを融かすこと。融けるまでに20~30秒程度の待ち時間がありますからそのラグタイムで具材をみじん切りにします。
- このレシピは敢えてチープさに拘りましたが、マーガリンをバターに変えて、ひき肉などを具材にし、カレー粉、トマトケチャップ、各種スパイスを加えればかなりきちんとした料理になると思います。