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その他ご飯もの

塩あんかけ海老めし

「立ち食い蕎麦はかけに始まりかけに終わる。

具の少なきは更なり。

つまるところ、具は女の化粧と同じ究極的には外道だ。

……、何だ、その厚化粧の中年女にみたいに何の脈絡も無くゴテゴテと具で固めたドンブリは?

そんな訳のわからん蕎麦は、決して俺の目の前で食ってくれるな!」

押井守がチーフディレクターを務めたうる星やつらの1エピソードで主人公のクラスメイトの『めがね』(CV.千葉 繁)が放ったセリフです。

しかし、彼の作風を知っている人なら「押井節」全開だなくらいで笑って済ませそうですが今の時代このセリフをオンエアしたら……炎上必至でしょうね。

コンプラ違反全開だな(笑)

このセリフは立ち食いそば屋でバイトをする彼の前で同じくクラスメイトの『ちび』が店のトッピングを全部載せた賄いを嬉々として食べようとした際に口をついたもの。

世の中にはシンプル・イズ・ベストを信条とする人々が一定数います。

けど……けどですよ。

「全部載せ」はやはり男のロマンだと思うのです。

乏しい財布の中身を慮って逡巡し、それでも覚悟を決めて清水の舞台から飛び降りる勇気。

着丼した時に圧倒的なトッピングの豪華さに踊る胸。

箸を進める度にいろいろな具材の味が楽しめるワクワク感。

これに匹敵するものがあるとすれば「はじめ人間ギャートルズ」に出て来る漫画肉(でっかい骨付き肉)にかぶりつく瞬間くらいじゃないでしょうか。

けどね、意外と家の冷蔵庫を整理すると手持ちの食材でも男のロマンを満たせる一杯が作れたりするのです。

過日、冷蔵庫のチルドを除くとむきエビが数尾残っていました。

とはいえおかずにするには少なすぎる中途半端な残量。

その時、ふと思ったのです。

これを天津飯の餡に入れたら海老入りの贅沢バージョンになるんじゃね?

いつも天津飯を作るときは具材と言えば人参とピーマン、茸くらいしか入れてなくてグリーンピースすら入れないけどこれを入れるだけでなんかお高めの中華飯店で戴く特製天津飯っぽくならね?

なんてことを考えていたらいてもたってもいられず勢いでこんな皿をつくってしまいました。

【材料】(1人分) 

調理時間:20分-

  • ご飯:1膳分
  • むきエビ:30g
  • 揚げ油:48g(大匙4)
  • 椎茸:1枚
  • 白菜(軸の部分):30g
  • 卵:1個

[むきエビの下味パート]

  • 片栗粉:3g(小匙1)
  • 酒:5g(小匙1)

[餡パート]

  • 水:180g(180ML)
  • 塩:1g(小匙1/6)
  • 中華スープの素:4g
  • オイスターソース:3g(小匙1/2)
  • ホワイトペッパー:少々
  • 水溶き片栗粉:5g分

【作り方】

  1. 椎茸は軸を切り離してスライスします。軸も石突を切り落としてスライスします。これらと[餡パート]の水を小鍋に合わせて強火にかけ1分加熱します。蓋を取ってごく弱火にし10分かけてゆっくり加熱します。  ※椎茸は70~80度で最も旨味成分が抽出しやすくなります。強火で一気に70度近くまで加熱し、以降ゆっくり温めることで良い出汁が挽けます。
  2. 1.と並行して揚げ油をフライパンに張って中火で約1分半加熱します。むきエビに[むきエビの下味パート]をまぶしてこれに入れいじらずに1分揚げ焼きにします。ひっくり返して更に1分揚げ焼きにしかす揚げで掬って油を切ります。揚げ油はオイルストッカーに戻します。
  3. 1.の工程終わりが近づいたら白菜を1cm幅のざく切りにします。1.が終わったら白菜と[餡パート]の水溶き片栗粉以外を加えて蓋をし、中火で5分煮込みます。これに[餡パート]の水溶き片栗粉を加えてとろみを付け更に2.の海老を加えてざっと混ぜます。
  4. 3.と並行して卵を黄身と白身に分けます。泡立て器で白身を1分泡立てて軽いメレンゲ状態を作ります。これに黄身を加えてざっくり混ぜます。フライパンに少量のサラダ油(分量外)を入れて中火にかけ卵液を流し込みます。蓋をして中火で1分焼きスフレオムレツ状態にします。 ※卵白をメレンゲ状にしてから卵黄と合わせて焼くことでボリュームアップできるので卵1個でも十分大きな薄焼き卵が作れます。しかもふわふわな仕上がりなので餡と一緒に口に入れた時の食感が心地よいのです。
  5. ご飯を皿に盛り4.の卵を載せて上から3.をたっぷりかければできあがり。

【一口メモ】

  • 中途半端に残っていたむきエビを流用したのですが餡にごろごろ海老が入っているだけでめっちゃ豪華な気分を味わえました。
  • 天津飯の味付けと言えば醤油と砂糖を使った甘辛系が定番ですが淡白な海老を使ったので餡は塩系に調整して砂糖も抜いてあります。すっきりした味わいでちょっと新鮮な風味でした。
  • 海老に限らずお肉でも魚でも貝でも冷蔵庫にちょこっとだけ残っているのを発見したらこんな風に餡かけの具材にするというのはひとつのテクニックだと思います。それだけでなんかとっても贅沢な気分のランチを楽しめますよ。

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