「見栄坊」「向こう見ずの強がり」「喧嘩っ早い」「生き方が浅薄で軽々しい」「独りよがり」「短気」「気が早い」──俗にいう江戸っ子気質をたとえた言葉です。
ほめているんだかくさしているんだかわからない言葉が並んでいますが(笑)
親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている──で始まる夏目漱石の「坊ちゃん」の主人公はこの江戸っ子気質を体現したようなキャラクターでしたね。
当の漱石はインテリ然とした方でどちらかというと同小説の敵役、赤シャツに近い人物だったらしいですが(笑)
「江戸っ子はせっかち」というのもよく聞きます。
とにかくまどろっこしいことが大嫌い。
ご飯をかき込んで味噌汁を一口飲んでまたご飯を……なんてやってられっか。
そう思った男が青柳(バカガイ)の味噌汁をご飯にぶっかけてかき込んだのが深川めしの始まりだったとか。
明治から大正の頃、青柳はアサリに変わって今のスタイルに落ち着いたようです。
深川めしに限らず江戸で丼物文化が発展したのも「ご飯とおかずを同時に食べられて早く食事ができる」という彼らの気質ゆえんかもしれません。
ならばおかずがない日はどうするか?
ふりかけで済ませちゃえなんて考える人もいたかもしれませんね。
ま、江戸の昔にふりかけ文化はないのですが。
その点、食文化が超進化を遂げた21世紀にはふりかけに限らずご飯にかけられる「ソース」がスーパーの棚にずらりと並んでいます。
その最たるものはパスタソースでしょう。
およそ世の中に出回っているパスタソースでご飯に合わないものはないと僕は思っています。
特に和風パスタ系のソースはどっちかというとパスタにかけるよりご飯でしょ、と言いたくなっちゃう。
ということで、とあるランチタイム。
手ごろなおかずがなかったので手持ちのパスタソースをご飯にかけてみましたという料理とも呼べない料理のレシピを紹介します。
【材料】(1人分)
-調理時間:1分-
- ご飯:1膳分(大盛りがおススメ)
- タラコスパゲティのソース:1人前
- バター:6g(大匙1/2)
- 刻み海苔:適宜
【作り方】
- 熱々のご飯、タラコスパゲティのソース、バターを丼に合わせてよく混ぜます。刻み海苔をトッピングすればできあがり。
【一口メモ】
- 食べる前からどんな味か日本人なら誰でも想像が付きます。バターの風味でリッチになったコンビニのタラコおにぎりの豪華版と考えれば間違いなし。
- このレシピのポイントが高いところは速攻で食べられること。市販のパスタソースを使うから一瞬で戴きますができるのです。
- 市販のタラコスパゲティのソース1人前の量だとご飯1膳分ではちょっと味が濃いかも。大盛りご飯くらいでちょうど良い感じになります。
- 市販のタラコスパゲティのソースはバターを使っているものが多いのでバターの量は控えめにしてあります。味を見ながらお好みで加減してください。
- もちろん、ソースをイチから手作りすることも可能です。レンチンするかオーブントースターなどで焼いたタラコ30gにマヨネーズ12g、醤油9g、バター10g、ブラックペッパー少々を混ぜ合わせればおよそ2人前。本格的な混ぜご飯が楽しめます。