僕が結婚したばかりの頃だったと記憶しているのであれは阪神大震災の2、3年後、1990年代後半のことだったと思います。
妹から妙なアイデア料理のレシピを教わりました。
「イカ料理を作った時にワタが残るやろ。あれをアルミホイルでくるんでオーブントースターで焼いてみ。カラスミの味がするで」
え? そんなチープな材料で高級珍味のカラスミもどきが味わえるって?
ホンマかいな。
ちなみに当時スルメイカは1杯100円するかしないかくらいだったので今と違ってむちゃくちゃ安かったのです。
おっかなびっくり試してみた結果……
これをカラスミの味と強弁するのは無理があるやろという残念な結果に終わりました。
けど、美味しかったので今でもちょくちょく作ります。
世の中には複数の食材を組み合わせて誰もが知る別の食べ物の味にするという奇天烈なレシピが都市伝説のようにはびこっています。
曰く
「プリンに醤油をかけたらウニの味」
「胡瓜にはちみつでメロン」
「麦茶にハチミツを入れるとカフェラテ」
「ホットミルクとたくあんでコーンスープ」
と枚挙にいとまがありません。
これらの話が都市伝説と大きく違うところは実際に作って試すことができるところですかね。
というか試さなくてもわかる気がするのですが体験談を読む限り「その例えには無理がある」というオチが待っているようです。
似たネタ話で「アボカドにわさび?油を付けると大トロになる」というのがあります。
けど、この話には他の話と一線を画する点があるのです。
それは、このネタの出元が寿司店の職人から発信されたネタだということ。
そして、実際にそれをベースに作られた料理が店のメニューに載り客に提供されたということ。
時は昭和40年頃、場所はカリフォルニア。
噂の出元は当地で日本人が経営する寿司屋。
これらの情報でピンとくる方もいらっしゃるかもしれませんが異色の巻き寿司「カリフォルニア・ロール」が生まれた時と場所です。
その店ではアボカドの種をくりぬいたくぼみに醤油漬けの卵の黄身を入れた料理を出していてけっこう好評だったとか。
更に付け加えるならこのレシピはその後、いろいろな人に伝承され継承されました。
今ではアボカドにわさび醤油という組み合わせはけっこうポピュラーでアボカドを使った料理のレシピのあちらこちらに登場します。
なので、ネットの情報も全てウソだと決めてかかるのはよくないと思うのです。
もしかしたらプリンに醤油をかければ……
いや、ウニにはならんかw
【材料】(2人分)
-調理時間:10分-
- アボカド:1個
- トマト:1個(ミニトマト数個でもOK)
- (お好みで)刻み海苔:少々
[調味料パート]
- すりごま:大匙2
- 濃口醤油:12g(小匙2)
- 砂糖:6g(小匙2)
- レモン果汁:5g(小匙1)
- おろしわさび:チューブ3cm分
- おそりにんにく:ひとかけ分
【作り方】
- 盛り付けるボウルに[調味料パート]を合わせてよく混ぜておきます。
- アボカドは皮を剥いて種を取り、1~1.5cm角の賽の目切りにし切ったらすぐに1.のボウルに入れてよく和えます。 ※アボカドは切るとすぐに変色し始めるので切ってすぐに調味料と合わせてください。
- トマトをアボカドと同サイズの賽の目切りにして2.に加えてよく和えます。お好みで刻み海苔をトッピングすればできあがり。
【一口メモ】
- アボカドにわさび醤油はやっぱり鉄板。とろっとした濃厚な味のするアボカドの果肉はトロのような脂の乗った刺身同様わさび醤油に合うんだなと実感できるサラダです。しかもおろしにんにくをプラスしているのでヤミツキ度は数段跳ね上がっていますよ。
- アボカドの果肉は切った瞬間はきれいな緑色ですが秒で変色していきます。できれば切ったそばから調味料と合わせて和えていってください。そうすると見た目もきれいな皿に仕上がります。
- アボカドもトマトも崩れやすい食材ですので和える時はあくまでも優しく力を入れすぎないように加減しましょう。
- 短時間でパパっと作れてコンロを塞ぐこともない料理ですのであともう1品何か欲しいって時にはおススメです。色鮮やかなサラダに仕上がって食卓を華やかにしてくれますよ。