僕は中華飯店で出されるスープが好きです。
「ふかひれスープ」みたいに単品でメニューに載っているようなたいそうなスープではなくランチタイムの定食を頼んだらもれなく付いてくるあのスープが好きなのです。
チープ感がじわっとにじむような取って付けたようなあの味がなんか好きなんですよね。
で、ちょっと意地悪な想像を巡らせて「あのスープってきっとやっつけで適当に味付けしたものを大量に作ってオーダーが来たらせっせせっせとお玉で掬って出すだけって感じなんだろうな」なんて思っていたらお店によってはそうでもないらしい。
店の稼ぎ頭であるラーメンのスープをベースに飲み物としてちゃんと飲めるようにきっちり調整したものを出すなんてお店もあるのだそうな。
めっちゃ悪意ある想像をしておりました。
さーせん。
中には気前の良いお店もありましてライスとともにおかわり自由なんて設定をしてくれているところもありますよね。
あれも嬉しいな。
おかずがまだ残っているけどスープだけ先になくなっちゃって「なんかちょっと水分が欲しい」と思った時にとても助かります。
そういうお店はだいたいおかわりはセルフ制になっていて店の隅に置いてあるでっかい電気ジャーのところまで客が歩いて行ってお玉で掬うシステムになっていたりします。
けど、ジャーの蓋を開けた時、茶色いスープの海が広がっているという光景は人のいなくなった冬の海を思わせてちょっと寂しい印象があります。
でもでも、その海一面に叢雲のようなかきたまが広がっていたら──ちょっとテンションが上がりませんでしょうか?って、そういう変なことを考えるのは僕だけかなぁw
【材料】(2人分)
-調理時間:18分-
- 水:500g(カップ2.5)
- 卵:1個
- 生姜:スライス1枚
- ごま油:2g(小匙1/2)
- しめじ:1/4房
- 中華スープの素:8g(パッケージの記載に従って水500g分加えてください)
- 水溶き片栗粉:6g(小匙2)分
- 粗挽きブラックペッパー:少々
【作り方】
- 生姜は細切りにします。しめじは小房に分けます。卵は割ってよく溶いておきます。
- 小鍋に生姜とごま油を入れて弱火にかけ香りが立つまで温めます。
- 2.に水としめじを加えて蓋をし、強火で2分温めます。蓋を取って火を弱火にし10分温めます。 ※しめじなど茸類は70度から80度で一番旨味成分が挽きだせる状態になります。強火で70度付近まで一気に過熱しそこから時間をかけてゆっくり温度をあげるのが出汁を挽くコツです。
- 3.に中華スープの素を入れてさっと混ぜます。更に水溶き片栗粉を加えてとろみを付けます。
- 4.を中火にかけて沸騰させ溶き卵を3回程度に分けて加えます。卵が浮いてきたら都度菜箸でかき混ぜます。仕上げに粗挽きブラックペッパーを振ればできあがり。 ※卵を投入直後に菜箸で混ぜるとスープが濁ります。卵に火が通って浮いてきてからかき混ぜるのが澄んだスープを作るコツです。
【一口メモ】
- 市販の中華スープの素はよくできているのでわりと本格的な味が手軽に出せるのですがこのレシピではひと手間かけてしめじで挽いた出汁を使っています。茸の良い香りがぷんと立って1ランク上の味が楽しめますよ。
- 溶き卵を熱々のスープに流し入れて作るかきたま汁の文化は世界中にあるようですが出来上がったスープのビジュアルだけ見ると中華の印象が強い気がしちゃいます。飲まなくても味が想像できそうで楽しい。
- 和洋中を問わず工程5.の卵を投入する際のコツは共通です。スープのビジュアルを決める要になりますので必ず守ってくださいな。