社会人になりたての頃、ゴールデンウィークを利用して奈良の葛城山に登ったことがあります。
ロープウェイの乗り場近くに登山道の入り口があるのですがいきなりチェーンがぶら下がっている急坂(というか限りなく崖に近い)をよじ登らされて「おいおい大丈夫か>自分」なんて思いましたっけ。
ただあの山はお椀を伏せたような形状になっていて麓が一番急こう配。
山頂に近づくにつれて道が緩やかになっていく構造なので心配するほどのこともありませんでした。
1時間ほどかけて山頂にたどり着いた時ちょっとびっくりしたのは日陰にまだ雪が残っていたこと。
5月初旬の山はまだけっこう寒いのでした。
そしてもうひとつびっくりしたというか「わかってるやん」と笑ってしまったのは山頂付近にカップヌードルの自販機があったこと。
1980年代でカップヌードルがまだ100円しなかったくらいの時代に200円くらいで販売してましたね。
良い商売してるなぁ──なんて思いながら……
買いましたとも。
そこここに残っている雪を眺めながら戴く熱々のカップヌードルは美味しかったなぁ。
世の中には気温を味方にした食べ物、飲み物というのがあると思います。
真夏にビアガーデンで飲むビールがあんなに旨いのも。
真冬に木枯らしが吹く道を歩いて辿り着いた飲み屋のカウンターで飲む熱燗が旨いのも。
半分は暑さ寒さの手柄だと思うんですよね。
たとえインスタント食品だとわかっていても5月とは思えない寒風が吹く山頂で食べるカップヌードルは誰が何といおうと旨いのです。
近頃はお弁当の容器も進化してランチタイムまでご飯やおかずの熱々をキープできるものが出回っています。
同様にスープジャーと言って数時間は冷めないスープ専用の容器もあります。
真冬にこんなスープをジャーに仕込んだらランチタイムに至福のひと時が約束されるのは間違いなし。
ジャーの蓋を開けたらとどめにラー油を数滴垂らしてみましょう。
「この寒いのになんでやねん」
と友達に笑われるくらい汗をかいちゃうかもですよ。
【材料】(1人分)
-調理時間:15分-
- 白菜:1枚
- エリンギ:半本
- 豚ミンチ:50g
- ごま油:4g(小匙1)
- 辣油:数滴
[スープパート]
- 水:200g(カップ1)
- 味噌:12g(小匙2)
- 濃口醤油:9g(大匙1/2)
- 味醂:9g(大匙1/2)
- 豆板醤:6g(小匙1)
[仕上げパート]
- 豆乳:50g(カップ1/4)なければ同量の牛乳
- すり胡麻:9g(大匙1)
【作り方】
- 白菜とエリンギは5mm幅の細切りにします。小鍋にごま油を入れて中火にかけます。これに豚ミンチを加えて色が変わるまで炒めます。更に白菜の固い部分とエリンギを加えて1分炒めます。
- 1.に[スープパート]を加えてひと煮立ちさせます。これに白菜の柔らかい部分を加えて蓋をし、弱火で5分煮込みます。
- [仕上げパート]を加えてひと煮立ちさせ火を止めます。器に盛ってラー油を振ればできあがり。
【一口メモ】
- ピリッと辛味が利いて体がポカポカ温まるスープです。冬場の夕飯に特におススメ。
- スープジャーをお持ちならお弁当と一緒に職場、学校に持って行ってランチタイムに戴くのもあり。冬の寒い日には何よりのごちそうになります。
- ラー油は辛味の調整用です。好みの量を加えられるように料理に入れるのではなく盛り付けてから個々人でプラスできる段取りにしています。
- このレシピでは豆乳を少なめにしていますが水と合わせてトータルで250mlとなるようにしながら配合を好みに合わせて変えてみてください。豆乳が多い方が濃厚な風味が楽しめます。