「いいかい学生さん、トンカツをな、トンカツをいつでも食えるくらいになりなよ。それが人間えら過ぎもしない貧乏過ぎもしない、ちょうどいいくらいってとこなんだ」
グルメ漫画「美味しんぼ」屈指の人気エピソード「トンカツ慕情」に出て来る名セリフです。
街のごろつきに絡まれて給料をカツアゲされた苦学生をトンカツ屋の夫妻が助けて店のトンカツを奢ってくれます。
「勉強してえらくなって頂戴よ」
と発破をかける奥さんに主人が首を振って
「なあに人間そんなにえらくこたあねえ、ちょうどいいってもんがあらあ」
とたしなめ冒頭のセリフに続きます。
ま、えらくなり過ぎると却って窮屈になってちっとも楽しくないなんてこともあるかもしれませんね。
とまれこの苦学生はその後渡米して成功をおさめ後に店を閉店に追い込まれた夫妻に恩返しをするという後味の良いエピソードでした。
なのですが……
ネットなどであまりにもこのセリフが有名になり過ぎたせいか数々のパロディー的なセリフも生まれたんですよね。
中でも僕がけっこう気に入っているセリフがこれです。
「いいかい学生さん、トンカツをな、トンカツをいつでも食えるくらいの歳の頃にはな、脂っこいものはあんまり食えないんだ」
これには激しく同意。
そういえば社会人になりたての頃は自由になるお金が一気に増えて馬鹿みたいに脂っこい料理など平らげておりましたが還暦が間近になった今は──
お金を積まれても食べられそうにありません(涙)けどその分、若い頃は食指が動かなかった野菜の美味しさが少しわかってきた気もしていて悪いことばかりじゃないなぁとも思っております。
たまにだったら濃厚なビーフシチューも良いけれど普段飲むのだったらこのスープくらい淡白であっさりしたものが「ちょうどいいくらいってとこ」に感じたりする今日この頃なのです。
【材料】(1人分)
-調理時間:7分-
- 白菜:数枚
- 水:200g(カップ1)
- 鶏がらスープの素:小匙1
[仕上げパート]
- 塩:1g(小匙1/6)
- 濃口?油:3g(小匙1/2)
- 豆板醤:3g(小匙1/2)
- 粗挽きブラックペッパー:少々
【作り方】
- 小鍋に水と鶏がらスープの素を入れて中火にかけひと煮立ちさせます。待っている間に白菜を葉と軸に分けてざく切りにしておきます。
- 1.の小鍋が煮立ったら白菜の軸を投入して2分茹でます。更に葉を加えて1分茹でます。
- 2.に[仕上げパート]を加えてざっとかき混ぜればできあがり。味を見て薄いと感じれば塩少々を加えて調味してください。 ※水分が蒸発すると味は濃くなるので調味は「物足りない」と思うくらいで止めるのが吉です。
【一口メモ】
- 体が温まるよう豆板醤を利かせました。寒い日には手を合わせたくなるくらいありがたい一杯ですよ。
- 旧暦では1月半ばから師走。二十四節気の小寒、大寒がやってきて一年で一番寒い季節になります。この季節は唐辛子系の辛いもの生姜などを使った料理が何よりのごちそうになりますね。
- いっしょに茸を煮るとぐっと旨味が増します。あとお好みで針生姜を加えればポカポカ感がアップしますよ。