持て余す──辞書を引くと「うまく扱いきれないで処置に困る」なんて書かれていたりする言葉です。
料理をしているとしばしばこの言葉に遭遇することがあります。
例えば鰹節や昆布で出汁を挽くと出汁ガラが残ります。
捨ててしまえば良いじゃんというのは簡単なのですが毒でもなんでもありませんからなんかもったいない。
それにうまみ成分が0になっているわけでもないので食材としても十分価値があると思うのです。
で、その利用方法として以前考えたのが出汁ガラの佃煮でした。
白ご飯に載せるとかっこうのフリカケになって箸が進みますよ。
あるいは卵。
卵の旨味は黄身に集中しているので卵黄だけを使う料理はたくさんあります。
あるいは海鮮丼のトッピング、ユッケやスパゲティ・カルボナーラも卵白を使うと濃厚さが薄れるので卵黄だけ使うのがセオリー。
すると──卵白だけが余っちゃう。
お店などでは効率を考えて卵白を捨てちゃっているのを見かけますがやっぱりもったいない。
で、卵白だけで作れる料理を考えたくなるのです。
揚げ物の衣や練り物のつなぎ(ミンチを使えばソーセージだってできますよ)なんかが王道ですね。
そういえば卵白だけで卵焼きを作って明太子を巻いた料理を作ったこともありました。
見た目が紅白で結構楽しい1品になりましたよ。
更にあるシチュエーションでは卵自体が余っちゃうということもあります。
何それ?
って言われそうですがトンカツを揚げた時などはそうなっちゃうのです。
豚肉に卵をまぶしますがあくまでもパン粉をくっつけるための役割なので1個分もはいらなくて揚がったとんかつの傍には溶き卵が中途半端にぽつんと残っていたりします。
この余った溶き卵の利用法としておすすめなのがかきたま汁。
適当な具材をだし汁で煮て仕上げに溶き卵をイン。
こうすればおかずとスープを同時に作れちゃうのでおススメですよ。
【材料】(1人分)
-調理時間:5分-
- 椎茸:1本
- 水溶き片栗粉:3g分
[スープパート]
- だし汁:250g(250ml)
- 卵:1/2個
- 濃口醤油:3g(小匙1/2)
- 塩:1g(小匙1/6)
【作り方】
- [スープパート]を小鍋に入れて中火にかけひと煮立ちさせます。待っている間に椎茸は軸を外して笠も軸も薄切りにします。卵はよく溶いておきます。
- 1.に椎茸を加えて2分煮ます。これに水溶き片栗粉を加えてよく混ぜとろみを付けます。
- 2.に卵を静かに加えます。卵が浮いてきたらささっとかき混ぜてできあがり。 ※卵はかき混ぜながら加えないでください。生煮えの状態で散ってスープが濁ってしまいます。卵は浮いてきたら火が通っていますのでそれからかき混ぜるのがセオリーです。
【一口メモ】
- ちょっと薄めの味ですがおかずがしっかりしているならこれくらいがちょうど良い塩梅だと思います。飲み進めるうちにしっくりくる味に感じられるようになりますよ。
- トンカツを作った時に余る卵液で作るのがおススメのスープです。具材は椎茸に限らず冷蔵庫のあり合わせを使ってください。但し、お肉だとトンカツと被るので野菜がおススメかな。
- 醤油、塩を使って和風に仕上げていますが中華スープの素を使って中華風にしたり、コンソメの素を使って洋風にするのもありですよ。