お料理バトルアニメ「食戟のソーマ」のエピソードに主人公がフレンチレストランに研修に行くお話がありました。
出向いた先はパリでトップクラスのお店の東京支店。
厨房ではフランス語の用語が飛び交います。
ポワレ、シュエ、アルミット、エスカロップ、デグラッセ、シズレ、ロティ、ブレゼ、アロゼ……フランス料理の素養がない主人公はなかなかついていけずまごつきます。
それを観ていたアニメの視聴者からもこんなコメントが飛び出していました。
「日本語でOK」
「ここは日本なんだから日本語で話せよ」
なんてね。
いや、気持ちはとてもよくわかるのですがちょっと考えてみてください。
例えば野球の試合で「ここは日本なんだから全部日本語でやるぞ」なんて言われたらどうでしょう。
戦時中じゃあるまいし審判がストライクの代わりに「よし」とかボールの代わりに「ダメ」なんて言ってたらなんか違うってなりますよね。
主人公のソーマ君が直面した状況ならなおのこと。
開店準備の厨房は戦場。
主人公以外のスタッフは全員ベテランのプロ。
当然、使い慣れたフランス語で会話した方がコミュニケーションはスムースにいきます。
わざわざ研修生の小僧1人のために日本語に訳してくれる暇なスタッフなどいるはずもないじゃないですか。
このシーンはフレンチの用語を多用することでピリピリした緊張感を演出することに成功していました。
ところで、なぜ僕らは野球だと英語の用語を使った方がしっくりくると感じたのでしょう。
それはストライクもボールも僕らの中で十分に浸透した言葉で今更説明してもらわなくても誰もが知っているからです。
フレンチの調理用語も僕らの日常で当たり前に使われるようになれば誰も気にしなくなるでしょうね。
って、そんな日がいつかくるのかな??
調理用語はまだまだ耳馴染みがないけれど食材については外国語がずいぶん僕らの生活に浸透してきているように思えます。
たとえば、ポテト、キャロット、オニオンと聞いても多くの人がじゃがいも、人参、玉ねぎのことだと理解できます。
今が昭和の三丁目の夕日くらいの時代だったら町の人たちはこう言ったんじゃないでしょうか。
「日本語でOK」
自分の知らない言葉に抵抗を感じるのは今も昔も変わらないだろうなと思います。
それと同じく「トマトのガーリックスープ」なんて小洒落た料理名を聞かされても今では多くの人が「トマトを使ったにんにく風味のスープね」って多くの人が察せられると思います。
ガーリックがにんにくを指す英語だというのもずいぶん浸透してきた証拠なんだろうな。
【材料】(1人分)
-調理時間:15分-
- トマト缶(ダイスカット):100g(約1/4缶)
- にんにく:ひとかけ
- 玉ねぎ:1/4個
- ベーコンまたはハム:少々
- オリーブオイル:4g(小匙1)
[スープパート]
- 水:250g(250ml)
- 塩:1g(小匙1/6)
- コンソメの素(顆粒):小匙1/2
- ブラックペッパー:少々
[仕上げパート]
- オリーブオイル:4g(小匙1)
- 粗挽きブラックペッパー:少々
【作り方】
- にんにくはみじん切りにします。玉ねぎとベーコンは細切りにします。
- 小鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて弱火にかけ香りが立つまで炒めます。これに玉ねぎ、ベーコンを加えて玉ねぎがしんなりするまで炒めます。
- 2.にトマトの半量を加えて水気がほぼなくなるまで炒めます。これに[スープパート]を加えてひと煮立ちさせ中火にして蓋をし、5分煮込みます。
- 3.に残りのトマトを加えてひと煮立ちさせればできあがり。器に盛って[仕上げパート]を加えて頂きます。
【一口メモ】
- スパゲティ・カルボナーラの副菜としてこのスープを作りました。クリーム系のようにこってりした料理が主菜の献立におススメです。トマトの爽やかな酸味が舌をリフレッシュしてくれますよ。
- 手持ちがあれば茸類を工程2.で一緒に炒めると風味が複雑になります。
- にんにくの代わりに生姜を使うとジンジャースープになります。
- お好みで[スープパート]
- にレモン果汁を5g(小匙1)加えると酸味が強化されます。辛口がお好きな方は食べる時にタバスコを数滴加えても美味しいですよ。