隣の芝生は青く見える──なんて言葉がありますが人が食べているものはなんだかとても美味しそうに見えることがあります。
それが高じると女子高生のランチタイムみたいになったりして。
「あ、その唐揚げ美味しそう。卵焼きと交換しよ」
なんてね。
アニメではたまに見かけるシーンですがリアルでもあるのかな?
で、そんな風にとなりの芝生ばかり見ていたら新しい料理が生まれた──なんてこともあるみたいです。
天ぷらそばの起源は諸説ありますが天ぷらが生まれた文化文政年間は江戸の町に屋台が乱立した時代でした。
当然、天ぷらの屋台の隣に蕎麦の屋台が並んでいるなんてこともありまして天ぷら屋で買った天ぷらを蕎麦屋で注文した蕎麦の上に載せたのが起源だという説もあるそうです。
如何にもありそうな気がしてなかなか信ぴょう性が高い気がします。
とまれ、蕎麦に天ぷらを載せて食べたらめっぽう旨いという噂はあっという間に広まり真似をする人が続出。
天ぷらそばは蕎麦屋の定番メニューにのし上がっていったそうな。
時代が明治、大正になってもその人気は衰えず「蕎麦屋に行けば揚げ物も食べられる」という発想は世間に浸透していきました。
中には蕎麦屋に入ったのに蕎麦を食べずに天丼を食べて帰っていったなんて客まで出る始末。
その延長線上で洋食に手を広げた蕎麦屋が洋風の揚げ物を使った「かつ丼」を品書きに加えて行ったというのは自然な成り行きだった気がします。
かように蕎麦と揚げ物は相性が良いのですが海老や鶏などを使った豪華なやつはやはり値が張ります。
家で作るにしても海老や鶏は野菜とは材料費が段違い。
おいそれとは作れない──とあきらめるのはまだ早い!要は天ぷらでさえあれば揚げ種は別に高価なものである必要はなし。
この料理のように茄子が1本あれば立派な天ぷらそばが作れるんですよ。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- 蕎麦(乾麺):1束または蕎麦(生麺)1玉
- 茄子:1本
- 揚げ油:適宜
- お好みのトッピング:天かす、刻み海苔など
[つゆパート]
- 蕎麦の返し:大匙1なければ麺つゆ大匙1
- 水:30g(大匙2)
- かつお出汁の素:小匙1/2
【作り方】
- 揚げ油を180度に温めます。待っている間に茄子はがくを取り横半分に切って更に6つ割りまたは8つ割りにします。油が温まったら茄子を加えて2分素揚げにし、かす揚げで掬って油を切ります。
- 1.と並行して蕎麦を茹でる湯(分量外)を沸かします。[つゆパート]を合わせて冷蔵庫で冷やします。湯が沸いたら蕎麦を加えて規定時間茹でます。蕎麦をざるに揚げ流水で〆ます。更に氷水に浸けてしっかり冷やします。
- 蕎麦をざるに揚げてしっかり水切りします。これを深皿に移して茄子とお好みのトッピングを盛り付け[つゆパート]を回しがければできあがり。
【一口メモ】
- 蕎麦は香りの強い麺類ですので天ぷらなどの揚げ物と好相性。ただ揚げ物であれば何も海老や鶏などの高価な具材の天ぷらである必要はありません。油と好相性の茄子を使ってもめちゃ旨な一皿が作れるんですよ。
- お好みのトッピングは薬味になるようなものがおススメ。手持ちがあれば大葉や茗荷を細切りにして載せると涼味がぐっと増して香味も華やかになります。
- このレシピは冷やしですが熱々のかけ蕎麦に揚げ茄子のトッピングというのもなかなかイケますよ。