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和麺

もずく蕎麦

1990年半ば頃の話。

職場の新人女子が学生時代にアルバイトをしていたアイスクリーム屋さんのエピソードを話してくれたことがあります。

"ハニー・レモネード"というアイスがメニューにあったらしいのですが売り上げが芳しくない。

そこで店主が商品はそのままで名前を"はちみつレモネード"にしたら爆売れしたんだとか。

サントリーが"はちみつレモン"という清涼飲料水を売り出したのは1986年。

たちまち大ヒットして売れ筋商品にのし上がっていったのですが、それにあやかったネーミングだったんでしょうね。

宣伝費ゼロ円の巧い戦略だよなぁ。

けれど、中身は何も変わっていないのに名前だけで人の印象が変わるというのはなんとも面白い。

名前だけですらそうなのですから、装いが変われば雰囲気が一変するのも当たり前かもしれません。

結婚式で白無垢を着ていた花嫁が披露宴でウェディングドレスに着替えたら「別の人と入れ替わってない?」なんて思うこともありますよね。

料理も盛り付けによって実は味が変わります。

正確には食べる人が"感じる味"が変わるのです。

これはその人の気のせいとかそういうものではなく、科学的に証明されている現象で、「クロスモーダル効果」という人間の知覚の仕組みによるものなのだそうです。

つまり人間は舌だけではなく、視覚、嗅覚、聴覚など五感で味(=美味しさ)を感じるようにできているらしい。

例えば同一の調理をした料理を雑に盛り付けた皿と美しく盛り付けた皿に分けて被験者に供した場合、圧倒的に美しく盛り付けた皿の料理の方が美味しかったという回答が得られたという実験例があります。

料理の見た目の美しさ、色彩のバランス、食器の素材や色などが、食欲を刺激し「おいしい」という感覚を脳に伝える仕組みになっているという証左ですね。

逆に言うと本当は美味しいのに地味な見た目の料理は損をしているということになります。

僕らが普段慣れ親しんでいる和食は醤油や味噌で味付けしたものが多く、総じて色合いが黒や茶系統の地味なものが多いです。

あれも見た目で損をしているんじゃないかな。

外国の人が寿司や天ぷらには夢中になるのに、和惣菜には反応が鈍い理由の一つは見た目のカラフルさが欠けているというのもあるのかもしれません。

例えば、ざる蕎麦のビジュアルも渋くて通人好みではあるのですが地味。

もしかしてラーメンの方に外国人の人気が偏るのはスープのテイストの多様さだけではなく、トッピングの華やかさに欠けるのも一因なのでは? なんて思っちゃいます。

ならば、つゆもトッピングもお色直し。

冷やし中華風のカラフルなトッピングを用意して華やかなビジュアルの冷蕎麦を作ってみました。

【材料】(1人分) 

調理時間:20分-

  • 蕎麦:1束
  • お好みのトッピング具材:トマト、胡瓜、錦糸卵、ハム、ゴーヤ、茗荷など
  • [錦糸卵の調味料パート]
  • 砂糖:2g(小さじ2/3)
  • 塩:ひとつまみ

[つゆパート]

  • もずく:3個パックのカップ1つ分
  • かつお出汁:50g(カップ1/4)
  • 蕎麦の返し(または麺つゆ):30g
  • おろし生姜:ひとかけ分
  • (あれば)実山椒:3、4粒

【作り方】

  1. [つゆパート]を器に合わせます。これを冷蔵庫の冷凍室に10分入れて、急冷し、その後は冷蔵庫に移して待機させます。 ※冷凍室に放置すると凍ってしまうので注意しましょう(笑)
  2. 錦糸卵を作ります。フライパンに少量のサラダ油(分量外)を加えて強火にかけます。煙がうっすら上がり始めるくらい熱したらフライパンを濡れ布巾に載せて余分な熱を取ります。待っている間に卵をボウルに割り入れ、[錦糸卵の調味料パート]を加えてよく溶いておきます。
  3. フライパンを再度、中火にかけて卵液を流し込み、薄く広げます。卵の表面がほぼ固まってきたら火を止めて、そのままいじらずに3分放置します。菜箸などで卵の端を持ち上げてまな板の上でひっくり返し卵をフライパンから剥がします。卵を巻き寿司の要領で巻いて端から細く切っていけば錦糸卵の完成です。 ※固まってすぐにフライパンから剥がそうとすると卵が崩れるリスクがあります。3分くらい放置して予熱でしっかり固めましょう。
  4. 蕎麦を茹でる湯を沸かします。湯が沸いたら、袋に記載された時間どおりに茹でて、ざるにあげ、流水でしめます。さらに氷水に浸けてしっかり冷やします。
  5. 4.と並行してトッピング具材の野菜類を食べやすい大きさに切ります。ゴーヤを使う場合は白いワタを取って、ごま油(分量外)で軽く炒めておきます。
  6. 4.の蕎麦をざるにあげて水切りし、丼に移します。これに5.をトッピングして1.を添えればできあがり。

【一口メモ】

  • 暑い真夏のランチは冷たい麺類に頼りがち。冷やし中華やざる蕎麦に飽きたらおすすめの一皿です。もずく酢の酸味が暑さを吹き飛ばしてくれますよ。キリッと舌を冷やしてくれるおろし生姜の風味も楽しいです。
  • 手持ちがあれば実山椒を加えるとピリッとした辛味がつゆの味をぐっと引き締めてくれます。手持ちがなければ粉山椒やわさび、柚子胡椒を加えるのもありですよ。
  • トッピング具材は冷やし中華に使うものならだいたい合います。あと、夏はオクラやコーンのようにサラダにできる野菜も多く出回るのでおすすめ。変わり種としては茗荷やゴーヤを使うと風味が変わってまた楽しいです。

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