「"風が吹いたら桶屋がもうかる"という諺の意味をアメリカ人の友人に説明してみましょう」──というのが以前通っていた英会話スクールの最後の課題でした。
説明はもちろん英語で、というお題なのですが……
いやいや、そもそもこれを日本語ででも説明できない人がけっこういるんじゃない? と思ってしまいました。
あ、諺の意味が分からない人は検索してみてください。
けれど、ここまでハードルを上げなくても英語では説明しにくい日本語というのはたくさんあると思います。
「"ぼちぼち"始めましょうか」──ぼちぼちって何? とか
「結果は"二の次"、努力することが大事だ」──って、二の次って英語でなんていうの? lowpriority purposeくらいかなぁ。
「"少々"お待ちください」──少々ってどれくらい? あ、これはホテルでバイトをしていたことがあるので知っています。"Just a moment, please."で通じます。
「郵便局なら"目と鼻の先"にあるよ」──つい、eyeとかnoseとか直訳したくなるな(笑)
日常的に使っていて、僕らにとっては当たり前すぎる言い回しや事物でも、それを全く知らない外国人に説明するとなると案外難しいものです。
そういえば、馴染みの焼鳥屋でこんなことがありました。
隣に外国人の青年が座って、なんとなく仲良くなったので片言の英語で会話していたのです。
焼鳥屋のメニューは彼にとって未知の料理のオンパレード。
"What'sthis?"っていろいろ訊かれましたっけ。
その中で「梅しそ焼き(胸肉の串にしそを巻いて梅肉を塗って焼いたもの)」の説明がけっこう難しかったんですよね。
料理の説明以前に"梅"とは何か? の説明ができない。
"It'splum."というのですが日本人にありがちなLとRの発音区別がへたくそ過ぎて通じない。
筆談にしてみたのですが、なんで焼き鳥に果物を使うのかが理解できない模様。
"It's dried plum."と言い直してみると、レーズンみたいなものを想像したみたいで余計に怪訝そうな顔。
"It'ssalty and very sour."とテイストを説明したら、塩辛くて超すっぱいレーズンを想像したみたいで、「それは本当に食べられるのか?」みたいな顔をされちゃった。
結局、「良いから、いっぺん注文してみろ」と言いました。
出された串を一口食べたら、お気に召したようであっという間に食べちゃってましたね。
最初からそうすりゃ良かった。
梅干しを知らない外国人にそれを説明するのはなかなか骨が折れるということを身をもって知った夜でした。
過日、叩いた梅干しを混ぜ込んでちょっと変わったテイストにアレンジした炒飯を作りました。
炒飯自体は"friedrice"と呼ばれて、パンダエクスプレスのメニューにもありますので知っている外国人は多そうです。
けど、これに梅干しを混ぜ込んだ料理を説明しろと言われたどうしよう。
……。
今のところ、外国人向けの中華飯店を開業する予定はないけれど、どう説明するか考えておいた方が良いかな(笑)
【材料】(1人分)
-調理時間:12分-
- ご飯:1膳分
- 卵:1個
- サラダ油:12g(大さじ1)
- 豚肉(スライスまたはミンチ):20g
- きゅうり:半本
- 梅干し:1粒
- 鶏ガラスープの素:小さじ1
[甘酢タレパート]
- 酢:10g(小さじ2)
- 砂糖:6g(小さじ2)
- 濃口醤油:3g(小さじ1/2)
- 鷹の爪:半本
【作り方】
- [甘酢タレパート]の鷹の爪以外を合わせて電子レンジの弱めのワット数(200Wくらい)で30秒温めます。砂糖が溶けるまでよくかき混ぜて小口切りにした鷹の爪を加えます。
- 豚肉は粗みじん切りにします。きゅうりは端を落として塩もみし、縦半分に切って薄くスライスします。梅干しは種を取り、叩いてペースト状にします。卵は溶いておきます。
- 中華鍋かフライパンにサラダ油を入れて強火にかけ煙が立つまで加熱します。煙が立ち始めたら卵を加えてざっとかき混ぜ、ご飯を加えてパラパラになるまで炒めます。一旦、これを皿に取ります。
- 同じ中華鍋に豚肉、きゅうりを入れて強火にかけます。これに[甘酢タレパート]を加えて水気がほぼなくなるまで炒めます。これに3.のご飯を戻して鶏ガラスープの素を加え、具材を混ぜ込むように炒めます。火を止めて、叩いた梅干しを加えてざっと混ぜればできあがり。 ※梅干しは火を止めてから加えることで、香りと酸味が活きます。
【一口メモ】
- 炒飯的なものが食べたいけど、暑いのでさっぱり風味が良い! ということで梅干しを仕込んでみました。酸っぱくて、ほんのり甘いテイストがくせになる一皿です。
- 具材は豚肉ときゅうり。炒飯にきゅうり? って思われそうですが、きゅうりの炒め物は中華では定番。甘酢炒めしたきゅうりのシャキシャキした食感が良いアクセントになるのだ。
- 甘酢炒めのタレに鷹の爪を仕込んでいるので、あとからじわっと辛さが押し寄せてきます。辛いのが苦手な人は鷹の爪を抜いてください。