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厨房日誌

土壇場で効く危機管理3つの心得


日大アメフット以降あとを絶たないスポーツ界の不祥事、はれのひ、するが銀行、NGT48、よしもと、関電、東須磨小学校 etc.

なんか去年から僕らは小学生でもやらないような謝罪会見を見させられ続けてちょっと感覚が麻痺してきているような気すらしています。

起きた事件についてここでどうこう言及するつもりはないのですが、そういった会見を見るにつけ危機管理が甘いなぁと思っちゃいます。

いや、悪いことが起きないように見張る危機管理ではなく、悪いことをしている人たちが最終的に露見して会見の場に立たされるということについて何の予見もしていなければ、準備もしていない、覚悟もない。それがバレバレだなぁと思っちゃうのです。

悪いことをする人を擁護するつもりはさらさらありませんが、悪いことをやるならもっと真剣に取り組んでおけよと言いたくのなるのです^^;

料理を作ったり、小説を書いたりいろいろなことをやっているので、職業を誤解されがちなのですが、僕の本業はシステムエンジニア(SE)です。

この前も、「え? 料理人じゃないの?」とか言われちゃいましたけど(^^;。

医者に外科や内科があるのと同じで、一口にSEといっても専門分野は人によって様々。

僕の場合、インフラと呼ばれるシステムの基盤をデザインするのが主な仕事です。

その中でもセキュリティやら惨事障害(地震とか火事とかシステムがオールダウンするような障害)対策が主要なフィールド。仕事柄、客先で不吉なことを口にすることが多々あります。

「このサーバが停止したら業務にどのような影響があるでしょう?」

なんてね。その上で、そうなった場合のシステム復旧方法を議論するのですが、たまに驚くような返事が返ってくることがあります。

「え? 故障することがあるんですか?」(いや、機械だから故障することだってあります)

「そんなこと言わないでください。呼び水になったらどうするんですか」(いやいや、験を担いでどうする)

多くの震災や国際的なテロのニュースを目にしてきたからか、昔に比べるとお客様の危機に対する意識もだいぶ変わりました。

それでも、障害対策の話をすると、「起きたらどう対処するか」ではなく「本当にそんな障害が起きるのか?」という議論をしたがるお客様はまだまだいらっしゃいます。

どうやら、起きる確率が低いのなら何もせずに布団を被ってやり過ごしたいらしい。

障害対策を打つにはもちろん、お金がかかります。でもそれは一種の保険なので、業務の改善にはなんの役にも立ちません。そして、実際に障害が起きない限りその投資は無駄金のように思えるらしいんですよね。

いまだ、この国では水と安全はタダという意識が根強いようです(近頃、水はお金を払って買う人も増えて来てるけど)。

前置きが長くなりましたが今日のエッセイでは最悪の事態に直面した時にうろたえないための3つの心構えについて書いてみたいと思います。

5分くらいでさらっと読めるように軽~いノリで書いていますのでお気楽にお付き合いくださいな。

心構え1 嫌な予感の正体について

買物に行く途中で河童に出会うかもしれないと予感する主婦はいない(中島らも)

これが「嫌な予感」と呼ばれるものの正体です。

夕方、A子さんはスーパーに買い物に行こうかどうしようか迷っています。

「今行ったら、B美さんに出会ってしまって長話に付き合わされるかもしれない」と嫌な予感がするからです。

でも、A子さんは「今行ったら、途中で河童に出会うかもしれない」という予感がしたことはありません。

なぜでしょう?

答えは簡単、スーパーでB美さんにつかまったことは過去に何度もあったけれど、河童と出会ったことは一度もないからです。

つまり、嫌な予感というのは自分の経験に基づいてのみ起きるものであると言えます。

なので、危機管理(リスク管理)は原則として過去の経験に基づいて計画を立てるしか術はないことをまず知りましょう。

自衛隊だって外国の戦闘機が飛んできたらどうするかという訓練はしていても、バルタン星人が攻めて来たらどうするかという訓練はしていないはずです(たぶん)。

ただもちろん、経験していないことでも「起きるかもしれない」と思いついたことは管理項目に加えるのは言うまでもありません。

心構え2 チャンスを逃さないことについて

成功する人間はチャンスを逃さない人間だよ(名探偵コナン)

名探偵コナンのスペシャル番組の中でのセリフ。

ドライブで山道に入ってからトイレに行きたくなっちゃった蘭に同乗していたおばあさん(ミス・マープル風の名探偵)が言った言葉です。

「さっきのサービスエリアであんたは行っておくべきだったんだ。それを、まだこの先にもドライブインか何かがあるかもしれないと無根拠に思い込んじまった」てな風に続きます。

これは危機に対する基本的な心構えですね。起きるかもしれないと思えることは本当に起きる可能性が0ではないということです。

バルタン星人と戦う訓練はいらないけれど、他国の戦闘機やミサイルが飛んできた場合の訓練をせずに、本当に飛んで来てから「あの時、やっていれば~~~」と嘆く人のことを愚か者と申します。

危機管理はifとの戦い。「まさか」というワードは禁句です。

けどね、ことが起きてからこのワードを口にする人を僕らは一連の謝罪会見などでいやというほど見せつけられてしまっていますね。

心構え3 覚悟について

覚悟を決めろ(ファイナル・ファンタジーX)

これは危機と対決する時の極意です。

実際に危機に直面した場合、「どうしよう」といってうろたえるのと、「どうしようか?」と次の一手を考えるのとでは引き出せる結果は大きく違ってきます。

俗に腹をくくると申しますが、起きてしまった危機と対決するのに一番有効な武器は『覚悟』だと思うのです。

中学校の授業で先生がこんな話をしてくれたことがあります。

子供が犬に襲われそうになった時、日本の母親は犬に背を向けて子供を抱きしめてかばおうとします。けどね、アメリカの母親は子供を背中に隠して犬に向かって拳をふるおうとするんだそうですよ。

この喩えの真偽は置いておいて、危機に対する正しい取り組み方はアメリカの母親の方だと思います。

『目前にせまった困難や大問題にまともにぶつかること。そうすればその困難や問題は、思っていたよりずっと小さいことがわかる。しかし、そこで逃げると、困難は2倍の大きさになってあとで襲ってくる』

(ウィンストン・チャーチル)

まとめ

危機管理(リスク管理)を正しく行うためには3つのステップを踏む必要があります。

  • 起きうる危機を予測すること
  • 予測した危機に備えること
  • 危機が起きてもうろたえないよう覚悟を決めておくこと

全ては危機が起きる前に済ませておくべきことです。

それを怠っているから記者会見の場で、あんな小学生でもしないような言い訳をするハメになるのです。

というか、自分たちの前でカメラが回っていて全国に晒されているという自覚がない時点で如何に危機管理ができていないかはバレバレなんだけどな(笑)。

危機は特別な人にだけ訪れるものではなく、誰にだってある日突然遭遇する可能性があるものです。

あの会見を反面教師にして僕らもいつか来るかもしれない危機に備えるようにしましょうか^^

2019/10/23 Wed.

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