オススメ



中華・点心

豚バラ肉とほうれん草のオイスターソース炒め

小学校の頃、何がどうしてそんな宿題が出たのか経緯は不明ですが夏休みの宿題に「夏休みの出来事を曲にしてみましょう」なんて宿題が出ました。

断っておきますが僕が通っていたのは普通の公立小学校で音楽に特化した英才教育の学校でもなんでもありません。

作曲法のいろはすら教わったことがない児童にいきなり作曲してみましょうとはむちゃぶりも良いところでした。

意地の悪い見方をすれば宿題を出した先生も作曲法なんてろくにご存じなかったのではなんて振り返って思います。

とりあえず白紙の五線譜を用意しましたが何日経っても一小節どころか一音も埋まらず眉間にしわを寄せて真っ白な紙に印刷された罫線を眺めておりましたっけ。

この宿題の顛末はよく覚えていないのですが確か、最終的にはなんかリコーダーを吹きながら思いついたメロディを拾って譜面を埋めてお茶を濁したような気がします。

似たような宿題は他にもあって真っ白な画用紙を渡されて

「好きに絵を描きましょう」だの

新品の原稿用紙を渡されて

「今の気持ちを文章にしてみましょう」だの

なんの罰ゲーム?

と訊き返したくなるような課題がちょくちょく出されていたなぁ。

あれはなんだったんだろう。

とまれ大人になったらそういった無茶な課題からは解放されると思っていたのですがどうやら必ずしもそうではないらしい。

世の主婦たちを悩ませる悪魔のワードが家族の口から吐かれることがあったりするのです。

「今日の晩御飯なにが食べたい」

とお母さんが聞いた時に返されるあの言葉です。

「なんでも良いよ」

なんでも良い──つまり晩御飯の可能性は無限大……

と言えば聞こえは良いですが白紙の画用紙を渡されて「なんか絵を描いてみて」と言われるのとなんら変わってないじゃん。

献立づくりが苦手という主婦の方が夕飯の献立を考えていてドツボにハマる一番の原因はこの白紙状態じゃないかしらんと思うんですよね。

これがぬり絵なら最初から絵が描いてあるので色を付けていくのはまだできると思うのです。

けど真っ白な紙に線を入れるというのは絵が得意な人でもなかなか勇気がいること。

ましてや絵の描き方に関する知識に乏しい人だったらなおのことです。

けどね絵でも料理でもその描き方、作り方は無限に見えて無限じゃないのです。

ちゃんとセオリーがあってそれを無視してむちゃくちゃにしてみても良いわけじゃありません。

料理で言えば料理の構成要素はざっくり3つです。

主食材(その料理で主役になる食材)、副食材(脇役、付け合わせになる食材)、調味料(食材に味を付けるもの──調理段階で絡めてしまう場合もあればソースのように仕上げにかけるもの、スープのように食材を浸すスタイルのものなどがあります)──

この3つを何にするかをこの順番に決めて行けばおのずと料理の全体像は決まってくるのです。

とある夕方。

夕飯の献立を考えていて冷蔵庫を覗くと豚バラ肉が残っているのを発見。

ではこれを主食材として、副食材は何か野菜を……

野菜室にほうれん草を発見。

ではどんな味付けにするか……

今日は中華料理が食べたい気分なので濃厚なオイスターソースを主軸にしたソースでどうだろう。

こうしてまた夕飯のおかずがひとつ決まったのでした。

【材料】(1人分) 

調理時間:20分-

  • 豚バラ肉スライス:50g
  • ほうれん草:2株
  • 玉ねぎ:1/4個
  • 水溶き片栗粉:4g分

[煮汁パート]

  • 水:70g(70ml)
  • オイスターソース:9g(大匙1/2)
  • 濃口醤油:6g(小匙1)
  • 豆板醤:3g(小匙1/2)
  • 砂糖:3g(小匙1)
  • 蜂蜜:7g(小匙1)

【作り方】

  1. 豚バラ肉は食べやすい大きさに切って冷たいフライパンに重ならないように並べます(肉から脂が出るのでサラダ油は不要です)。これを弱火にかけて10分焼きます。肉をひっくり返して更に5分焼きます。玉ねぎは細切りにしておきます。
  2. 1.をやっている間にほうれん草を茹でる湯(分量外)を沸かします。ほうれん草は茎と葉に切り分けておきます。湯が沸いたら茎を投入して2分茹で更に葉を投入して1分茹でます。これをざるに揚げて流水をかけて粗熱を取ります。これを絞ってざく切りにします。
  3. 1.のフライパンにほうれん草、玉ねぎを加えて中火で1分しっかり炒めます。これに[煮汁パート]を加えて火を強めます。煮汁が煮詰まってきたら水溶き片栗粉を3、4回に分けてとろみを付ければできあがり。

【一口メモ】

  • めっちゃ定番の中華風味なのですが甘辛好きな関西人の琴線に触れる味です。やっぱり甘いは旨いだな。
  • 豚バラ肉は冷たいフライパンから弱火でゆっくり焼くと脂が抜けてカリカリになります。食感が面白いので時々この技を使います。
  • ほうれん草は茹でて流水で洗うことでシュウ酸が抜けるので独特のえぐみを抑えることができます。ただ茹で時間が長いと他の栄養分も抜けてしまうのでほどほどに。
  • 手持ちがあればにんにく、生姜のみじん切りを加えるとより中華っぽい味付けになります。あと辛いのが苦手な方は豆板醤を抜いてください。
  • 仕上げに味噌を3g(小匙1/2)くらい加えるとコクがぐっと増しますよ。

レスポンシブ

-中華・点心

Copyright© 料理なんてだいきらいっ!! , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.