名は体を表す──「実体が名前に表れている」という意味の慣用句です。
けれど世の中には名が体を表していないものが案外たくさんあったりします。
たとえば北海道は室蘭名物の「室蘭焼き鳥」。
串にささっているのはなぜか豚肉なんですね。
それでも焼き鳥w
同じく北海道で売っているらしい「かりんとう揚げ」。
その実態は細長い棒状のさつま揚げです。
かりんとうではありません。
どうも形がかりんとうに似ているからこの名が付いたっぽい。
っていうほど似ているか?
あるいは「カップ焼きそば」。
どう考えても……いや考えるまでもなく。
焼いてないじゃんw
またあるいは「たぬき蕎麦」。
きつねうどんは狐が好むと言われる揚げが入っているのでそういう名前が付けられたというのは納得いきます。
けど、たぬき蕎麦に入っている天かすがたぬきの好物だなんて話は聞きません。
これね名前の由来は全然別で天ぷらそばに似ているけど天ぷらの揚げ種が入っていないから「種ぬき蕎麦」と呼ばれたのが元々だったのです。
それを略して「たぬき蕎麦」。
……、いや略し方に無理があるだろw
どう考えてもきつねうどんと対になるように狙ってネーミングしたのはバレバレじゃんと思っちゃいます。
そして「片栗粉」。
今日の料理のようにあんかけ料理には欠かせないアイテムですが実は材料は片栗ではありません。
いや、江戸の昔は片栗の根から作られていたらしいのですが自生の片栗が減少しちゃったことと需要が高まったこともあり今は100%じゃがいもから作っています。
なのであれは本当は「じゃがいも粉」と呼ぶべきだと思うのです。
まあこれだけ名前が浸透しちゃったら今更な気はするな。
なんてことを考えながら──南蛮漬けに飽きた僕はアジの唐揚げを中華風にしたくてじゃがいもから作られた片栗粉で餡かけの餡を作ったのでした。
【材料】(1人分)
-調理時間:12分-
- 小あじ:3尾
- 片栗粉:適宜
- 揚げ油:適宜
[中華餡パート]
- 水:80g(80ml)
- 人参:1cm
- ピーマン:半個
- 酒:7.5g(大匙1/2)
- 砂糖:3g(小匙1)
- 濃口醤油:9g(大匙1/2)
- 鶏がらスープの素:小匙1/2
- おろし生姜:ひとかけ分
- 水溶き片栗粉:片栗粉4g分
【作り方】
- 揚げ油を160度に温めます。
- 1.を待っている間にアジのぜいご(尾から胴の中央付近まで伸びる硬い部分。胴の真ん中にあります)をそぎ切りにして外します。腹に包丁を入れワタを抜き水洗いしてからキッチンペーパーで水気を拭いて片栗粉を薄くまぶします。 ※1.の揚げ油が温まるまでは約2分程度です。この時間内で行程2.を終わらせましょう。
- 揚げ油が温まったらアジを入れて4分揚げます。菜箸でひっくり返して更に4分揚げてかす揚げで引き上げ油を切ります。
- 3.をやっている間に[中華餡パート]の野菜類を千切りにします。小鍋に[中華餡パート]の水片栗粉以外を合わせて中火にかけひと煮立ちさせます。これに水溶き片栗粉を加えてとろみを付けます。
- アジを深皿に盛り付け4.をたっぷりかければできあがり。
【一口メモ】
- アジの唐揚げを作ってソースをかけるという構造は南蛮漬けと同じですがかけるソースを中華餡にすることで雰囲気が随分変わります。アジは安くてお手頃だけど南蛮漬けは飽きたという時にぜひどうぞ。
- アジは低温で時間をかけて揚げているので頭からバリバリ食べられます。
- お好みで[中華餡パート]に酢を5g(小匙1)加えると酸味が利いて夏向けの皿になります。更に豆板醤を小匙1~2加えるとピリ辛になって暑気払いには持って来いですよ。