みかん剥いたら皮やろか 金柑剥いたら実やろか子供の頃、父が謎の節回しでそんな鼻歌を歌っておりました。

父は香川県坂出市の出身でしたが子供の頃に流行ってた歌か何かかしらん。
とまれずいぶんと意地の悪い歌詞ではあります。
みかんは身が甘くて美味しいけれど皮は普通食べません。
金柑は逆に皮が甘い(実は……皮と一緒に剥かずに食べちゃいますが)。
いらんところをお前にやろか的なわらべ歌ですね。
食材の中には必ずしも全部食べずに捨ててしまう部位があるものです。

卵の殻、魚の骨、海老の殻、果物や野菜の皮など。
野菜の皮などは細切りにして煎り付ければきんぴらにできるなど料理の仕方では食べられる物もありますがどうしようもないものもあります。
それに加えて、そもそも手に入らなくて見たことすらない食材というのもあったりします。
その最たるものがうずらじゃないかしらん。

フランスではありふれた食材らしくスーパーなどで丸鶏のスタイルで売られているそうですが日本では鶏肉専門店に行ってもまず手に入りません。
僕ら日本人が「うずらを食べる」といえば「うずら卵を食べる」とほぼ同義。
思い浮かべるのはもっぱらあのぶち模様の小さな卵の殻の方で「うずらの絵を描いてみましょう」というお題を出して鳥の姿を描ける人は少ないんじゃないかな。
反面、うずらの卵は汎用性が高くていろいろな料理に使われます。

八宝菜の定番具材ですし、給食には串フライという形で入っていたりしました。
秋葉名物のおでん缶にも入っていたりしますよね。
うずら卵の使い勝手の良さは鶏卵に比べてミニサイズというところじゃないかしらんと僕は思っています。
例えば、八宝菜に鶏卵のゆで卵がごろごろ入っていたら……
もはや邪魔者以外の何物でもない。

おでん缶だって鶏卵を使ったら場所を塞いで他の具材が何も入らない。
缶の蓋を開けたらゆで卵が1個ころんと転がっていたなんて悲しい情景が思い浮かびます(笑)
揚げ物にしても同じこと。
あのサイズだから串に刺して頬張れるわけで鶏卵でそれをやったらほかのおかずが何も食べられなくなっちゃいます。
2024年のおせち料理には干支にちなんで「竜眼揚げ」という料理を詰めました。

茹でたうずら卵と海苔を観音開きにしたささみで巻いて揚げた料理。
名前の由来は真ん中で切るとうずら卵の黄身の断面が竜の金色の目に見えるというところから来ています。
これを鶏卵でやると……以下略。
ささみ4本で必要になるうずら卵は8個。
1パックは10個なので中途半端に残る──ということで何かもう1品作りましょうと考えてこの料理をチョイスしました。
まさか2個だけというのも切ないのでもう1パック買い足してけっこうたっぷりこしらえました。
【材料】(2人分)
-調理時間:30分-
- うずら卵:10個
[漬け汁パート]
- 濃口醤油:9g(大匙1/2)
- 蕎麦の返し又はめんつゆ:大匙1/2
- 砂糖:3g(小匙1)
- 豆板醤:3g(小匙1/2)
【作り方】
- 小鍋に水(分量外)を入れうずら卵も入れて中火にかけひと煮立ちさせます。そのまま7分茹でて固ゆでにします。 ※うずらは必ず水が冷たい状態で加えて一緒に火にかけてください。煮立った状態に放り込むと急激に温度が加わって殻が割れ……悲惨なことになります。
- うずら卵を穴あきお玉で掬って冷水に投入して急冷します。常温まで冷えたらざるに揚げて水気を切ります。これをタッパに入れて蓋をし、シャカシャカ振って殻を細かく割ります。蓋を取って殻を剥きます。 ※うずら卵は茹でたてを冷水に浸けると殻が白身から乖離して剥きやすくなります。 ※大量のゆで卵の殻を剥く時はタッパに入れてシャカシャカ振ると殻同士が砕け合って剥きやすくなります。
- 2.のゆで卵と[漬け汁パート]をビニール袋に合わせて空気を抜いて口を結びます。そのまま冷蔵庫で15分以上漬け込めばできあがり。
【一口メモ】
- 砂糖醤油の甘辛さが最初に来て、やがて豆板醤のホットな辛さがじわっと口の中に広がります。めっちゃ美味しいけどおかずというよりはおつまみ向けだよなぁ。
- 何かの料理にうずら卵を使って何個か余っちゃったという時におススメの1品。卵1個からでも作れますよ。一瞬でなくなっちゃいますが(笑)
- うずら卵を茹でたり剥いたりするのは面倒という方は茹でて剥いてくれているうずら卵の水煮がレトルトや缶詰で売られていますのでこれを活用すると楽ちんです。

