世界に広く知られたその国のお国柄をネタにした笑い話のことを「エスニックジョーク」というそうです。
たとえばこんな感じ。
船が沈没しかけていて、あとは海に飛び込むしか助かる手立てはないという状況。

けど、船客たちは尻込みしてなかなか飛び込んでくれない。
そこで誘導役の船員は船客の国籍ごとにちょっと工夫を凝らしてみた。
- ロシア人の船客には「海にウォッカの瓶が浮かんでいますよ」という。
- イタリア人の船客には「海で美女が泳いでいますよ」という。
- フランス人の船客には「絶対に飛び込まないでくださいね」という。
- ドイツ人の船客には「規則なので飛び込んでください」という。
- アメリカ人の船客には「今、飛び込んだらヒーローになれますよ」という。
そして──日本人の船客には「みなさん飛び込んでいますよ」という(笑)

他所の国の人がそれで本当に飛び込むかどうかは知りませんが、日本人はこれを言われると本当に飛び込みそうな気がするので笑えます。
さて、世の中には「食わず嫌い」という人たちが一定数いて、自分が食べたことのあるもの以外は手を出さないなんて人もいるようです。

僕なんかは新しもの好きで、見たことも聞いたこともない料理をメニューに見つけたらいの一番に頼む口なので、そういう人を見ると「なんかもったいないなぁ」と思ってしまいます。
けど、まあそれは大きなお世話というものでしょう。
そんな人たちの「食わず嫌い」のハードルを下げる要因が世の中にはあるようです。

- 自分の推しているアイドルやアニメのキャラがその料理を絶賛していると知った時。
- カレー味やチーズ焼きなど自分の大好きな料理の味付けにされて出された時。
- 旅先やお祭りなどで開放的な気分になっている時。つい、ノリで食べちゃうのかな。
- 思わぬ栄養効果やダイエット効果があると知った時。「これを食べると体内の脂肪がびっくりするほど排出されるんです」なんて聞かされたら効果てきめん。
けど、何より僕ら日本人に効果があるのはこの一言じゃないでしょうか。
「みなさん食べていますよ」

ゆず胡椒が全国的に認知されるようになったのは2000年になってからだと記憶しています。
それまでは福岡や大分の一部でのみ使われている薬味で、僕も含めて他の地方の人はゆず胡椒と言われても「それ何? スパイス?」なんて訊き返したかも。
なので20世紀ごろに店のメニューでこの料理を見かけても「なんか聞いたことのない調味料使ってるみたいだし……パス」とスルーする人がいた気がします。

けれど、変われば変わるものでたった20年ほどでほとんどの日本人がゆず胡椒を知ってしまいました。
今では家に常備するくらいの大ファンもたくさんいることでしょう。
おかげさまで僕もこのレシピを書く際に「ゆず胡椒とは何か」を説明する必要がないなと感じています。
もし、それでも「ゆず胡椒って何?」と訊いてくる人がいればこう返事すれば相手は黙るでしょう。
「え、知らないんですか? それはぜひ食べてみなければ。だって……」
「みなさん食べていますよ」
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- 牛こま切れ肉:100g
- 小松菜:2株
- 鷹の爪:半本
- ごま油:6g(大さじ1/2)
- ゆず胡椒:チューブ1cm分(小さじ1/2)
[調味料パート]
- 酒:15g(大さじ1)
- 味噌:12g(小さじ2)
- 砂糖:3g(小さじ1)
【作り方】
- 牛肉は食べやすい大きさに切ります。小松菜は葉と茎に分けてざく切りにします。鷹の爪はキッチンばさみで小口切りにします。[調味料パート]を合わせてよく混ぜておきます。
- フライパンにごま油と鷹の爪を加えて中火にかけます。香りがってきたら、これに牛肉を加えて色が変わるまで炒めます。さらに小松菜の茎を加えて1分、小松菜の葉を加えて30秒炒めます。
- 2.に[調味料パート]を鍋肌から加えて絡めながら水気がほぼなくなるまで炒めて火を止めます。
- 3.にゆず胡椒を加えてざっくり混ぜればできあがり。
【一口メモ】
- ゆず胡椒と鷹の爪が風味を引き締めてくれます。ピリ辛好きにはたまらない一品ですね。
- ゆず胡椒は火を止めてから入れるのがポイント。熱が入り過ぎず香りと辛味が活かせます。
- 牛肉と合わせる野菜は炒め物に合うものならなんでもありです。キャベツ、もやし、人参、茸など冷蔵庫にあるもので作りましょう。

