「肉うどん、うどん抜きで」吉本新喜劇の花紀京師匠が二日酔いで食欲がない日にうどん屋で変な注文をしました。

出てきたのは肉の浮いたうどんつゆ。
これが口コミで評判になり千日前のうどん屋「千とせ」の名物料理「肉吸い」として人気を博します。
その店の料理を愛して止まない人の中にはその料理の中の特定のパーツだけを偏愛するマニアックな人もいるようです。
数年前にバーガーキングから期間限定発売された「オン・ザ・ビーフ」はハンバーガーのパティにソースがかかった商品。

当然バンズも野菜もなし。
「とにかくあの肉だけが食べたいんだ!」と熱望する人にとっては夢のようなメニューだったでしょう。
そういえば吉野家の牛皿なんかもその典型かな。
あれは「ご飯抜きの牛丼」と言えなくもないですね。

昭和30年代頃にビールのつまみに牛丼の具が食べたいという客の要望に応えて供されたのが原型だそうです。
余談ですが吉野家の牛丼(並)は2024年7月現在426円、牛皿は354円ですので家にご飯があるなら牛皿を買って帰って自前のご飯にかければちょっとお得に牛丼が食べられます。
こういうムーブメントは日本だけでないらしく数年前にはアメリカの大手ピザチェーンが「ピザのクラフト抜き」というのを全米展開したことがあったらしい。

要はピザのトッピングだけ食べたいという層を狙ったわけですが反応はイマイチ。
アメリカ人の嗜好的にウケが良くなかったのか。
それとも「ピザはクラフトを含めて一つの料理」という考えが根強かったのか敗因はどっちかな??
肉吸い、オン・ザ・ビーフ、牛皿──これらの料理に共通するのは元になった料理の存在意義的パーツが喪失していること。

肉うどんはあくまでもうどんのトッピングに肉が使われているから肉うどんなのであってうどんを抜いてしまったらその名前で呼ぶのはおこがましい。
パン抜きのハンバーガー、ご飯抜きの牛丼にしてもしかり。

にも拘わらずこれらの料理が人気を博したということは料理の存在意義的パーツと料理の主役は必ずしも一致しないということなんだろうなぁ。
過日、こんなパスタを戴きながらそのトッピングのおかず感に感動。
「もしやこの皿のパスタ抜きもありなのでは?」
なんて妄想をたくましくしてしまいかつて同様に料理の存在意義を喪失したうどんやパンやご飯たちに思いを馳せておりました。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- スパゲティ:100?120g
- 砂肝:1粒
- 白ネギ:10cm
- にんにく:ひとかけ
- 鷹の爪:半本
- オリーブオイル:12g(大匙1)
- ナンプラー:6g(小匙1)
- [ゆで汁パート]
- 水:600g(カップ3)
- 塩:7g
【作り方】
- [ゆで汁パート]を鍋に合わせてひと煮立ちさせます。スパゲティを規定時間?1分茹でます。
- 1.をやっている間に砂肝は3mm厚にスライスします。白ネギは小口切りにします。にんにくは粗みじん切りにします。鷹の爪は小口切りにします。
- フライパンにオリーブオイルとにんにく、鷹の爪を合わせて弱火にかけます。香りが立ってきたら砂肝、白ネギを加えて弱めの中火にし2分炒めます。これにナンプラーを振りかけて30秒炒めます。火を止めてスパゲティの茹で上がりを待ちます。
- スパゲティが茹で上がったらざるに揚げてよく湯切りします。これを3.のフライパンに加えて中火にかけよく和えればできあがり。
【一口メモ】
- スパゲティ・ペペロンチーノに使われる材料ってオリーブオイルの量を増やしたらまんまアヒージョが作れちゃうんですよね。なのでスペイン料理寄りのイタリアンてな感じで作ってみました。
- 砂肝は丸のままだと火が通りにくくて扱いにくいのですがこのレシピのように薄くスライスすると炒め物や煮物の材料としても扱えます。変わったところではおろしにんにくを加えたかき揚げにすると面白い食感の揚げ物になりますよ。
- 本式にはアンチョビを使うのですが手持ちがなければこのレシピのように同じ魚醤系でタイのナンプラーを使っても似た風味が出せます。これを使うとぐっと本格的なスペイン料理って感じになるんですよね。
- お父さんの晩酌用のイカの塩辛があればナンプラーの代用品にすることもできますよ。ちょっと和風寄りのパスタになります。

