刺し身を出されると醤油とわさびが欲しくなる。
高級な牛ロース肉を見るとすき焼きにしたくなる。
分厚い豚ロース肉を見るとトンカツが食べたくなる。
日本人の性(さが)といえばそれまでですが、それって単なる固定観念なんですよね。
同じ部位を使っても世界にはもっと違った料理や食べ方があると思うのです。
なので、うにょうにょ、ぶよぶよしている鰻を捌いて蒲焼にすることを思いついた人の自由な発想力には敬意を通り越して畏怖を感じます。
なんでそうなった?
そこまでウルトラC的な発想の転換はできなくても例えば「ホタルイカは辛子酢味噌で食べるもの」という先入観の殻を破って新しい食べ方を模索するくらいは僕にもできるんじゃないかな?
なんて思って今年の春はずいぶんいろいろなホタルイカ料理を試作しました。
同じように関西の夏の風物詩と思われている鱧(はも)だって梅肉や辛子酢味噌和えだけじゃつまらない。
例えばこんな風に洋食にアレンジしてみたらどうだろうなんて思っちゃうのです。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- はも:100g
- 大葉:1枚
- 粗挽きブラックペッパー:少々
[ドレッシングパート]
- オリーブオイル:8g(小匙2)
- ゆず果汁(なければレモン果汁):5g(小匙1)
- 梅干し:1粒
- 塩:1g(小匙1/6)
【作り方】
- 待っている間にはもは皮を下にしてまな板に置き1cm幅あたり数本包丁目を入れて骨切りをします。これを食べ易い大きさに切ります。 ※骨は押し切るのではなくバイオリンの演奏をするように刃をスライドさせると楽に切れます。
- はもを湯引きする湯(分量外)を沸かします。[ドレッシングパート]の梅干しの種を取りよく叩きます。これに[ドレッシングパート]の残りの部位と合わせてよく混ぜておきます。大葉は細切りにします。
- 湯が湧いたらはもを沸騰した湯に投入して1分茹でて湯引きします。これをざるに揚げて氷水に投入し急冷させます。
- はもを皿に盛り[ドレッシングパート]を小ぶりのスプーンで振りかけます。大葉をトッピングし、粗挽きブラックペッパーを散らせばできあがり。
【一口メモ】
- オリーブオイルの風味とはもは意外にも違和感がありませんでした。はもが和食専門の食材だと考えるのは単なる思い込みみたいですね。サラダ風にしても合うじゃん。
- 少し和風に寄せて酸味はゆず果汁を使ってみました。けど、ワインヴィネガーなんかも合うと思いますよ。
- [ドレッシングパート]を合わせるのが面倒という方は市販のドレッシングをいろいろ試してみて下さい。好みの差こそあれ、確実に料理の幅が広がると思います。