ランチタイム。
仕事のキリが良いもの同士が誘い合わせて近くの店にご飯を食べに行くというのはどこの職場でも見かける光景です。
「今日は何にする?」
と誰かが聞いてきたらいろいろな意見が飛び出すでしょう。
丼物、定食、あるいは中華や洋食などなど。
けれど、そんな時にこんな意見が出たらどうでしょう。
「フランス料理にしない?」
すると……、なんとなく居心地の悪い間があって、お互いに顔を見合わせて、そのうち誰かがこう言いだすのが目に浮かぶようです。
「なんか、他のものにしない」
どうしてフランス料理と聞くと日本人はあんなに尻込みするんでしょうね(笑)
いくつか思い付く理由があります。
ひとつはお値段の問題。
果たしてサラリーマンの財布で食べられるようなランチメニューがあるのか。
ひとつはテーブルマナーの問題。
なんか食事の一挙手一投足をお店の人にじっと見られているようで変な動きをしようものなら冷たい視線が飛んできそう。
ひとつは店の雰囲気がハイソで「〇〇でございます」なんて口調のおじさん(ギャルソン(=給仕係)と言います)がじっと後ろに立っていそうで居心地が悪い。
ひとつはコース料理のイメージが強くお昼休みが終わるまでに食べ切れるのか心配(いや店のメニューにはアラカルトなどもあるんですけどね)。
ひとつは味が高級そうで海原雄山や山岡さん、栗田さんのような鋭敏な舌の持ち主でないとありがたみがわからないのではないかという不安。
そして──そもそもメニューを見せられても何がなんだかわからないと思う、などなど。
って、ただのフレンチレストランの偏見リストみたいになっちゃった。
すみません > フレンチレストランの方。
そうとう偏見が混じった意見だとは思うのですが似たことを考えて尻込みするサラリーマンは多いんじゃないだろうかと推察します。
けど、もちろん気の置けないビストロやブラッスリーもたくさんありますし、臆せずチャレンジしたら意外とどうってことなかったって思う人も増えるとおもうんだけどな。
とはいえメニューに日本語が書いていなかったり、カタカナで書かれていてもどんな料理なのかさっぱりわからないと頼みにくいですよね。
たとえばポム・フリットは定番の付け合わせ料理ですが、なんかオシャレそうな響きに聞こえます。
けど、おっかなびっくり頼んでみて出てきたのがこれだったら目が点になる人もいるんじゃないかしらん。
そんな人はたぶん小さな声でこうつぶやいていると思いますよ。
「なんだ、ただのフライドポテトじゃん」って。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分(じゃがいもの粗熱を取って冷凍する時間は含めていません)-
- じゃがいも:中サイズ1個または小サイズ2個
- 揚げ油:適宜
[シーズニングパート]
- 塩:1g(小さじ1/6)
- ブラックペッパー(粗挽きでもOK):少々
- 味の素:ひとふり
【作り方】
- 揚げ油を130度に温めます。その間にじゃがいもは良く洗って皮付きのまま細切りまたはくし形に切ります。これを水を張ったボウルに浸けてざっと洗い、キッチンペーパーで水気を拭きとっておきます。
- 揚げ油が温まったらじゃがいもを投入し、130度をキープしながら2分揚げます。じゃがいもを引き揚げて粗熱を取り冷凍します。 ※じゃがいもに色が付かないくらいの低温で揚げるのがポイントです。
- じゃがいもがしっかり凍ったのが確認出来たら揚げ油を180度に温めます。待っている間に小さめのボウルに[シーズニングパート]を合わせてよく混ぜておきます。
- 揚げ油が温まったらじゃがいもを投入し油の温度が下がらないよう強火で温めながらじゃがいもを揚げます。
- じゃがいもの周囲に立つ泡が小さくなって表面がきつね色になったら引き揚げて[シーズニングパート]のボウルに移します。ボウルに菜箸を突っ込んでざっと混ぜ、まんべんなくシーズニングをじゃがいもにまぶせたらできあがり。
【一口メモ】
- 名前はなんかおしゃれっぽく聞こえるかもですが要はフライドポテトです。ポムはフランス語でじゃがいも、フリットは揚げ物を指す言葉です。
- 低温で下揚げしたあと一度じゃがいもを冷凍して再度高温で揚げることで表面はカリッとなかはほくほくに仕上がります。いろいろ試したけれど、この方法が一番おいしくできる気がします。
- まとめてたくさんのじゃがいもを下揚げ→冷凍までやっておくとストックが利きます。あとは食べたいときに食べたい量だけ高温で揚げるだけですよ。
- シーズニングはちょっと邪道ですが味の素をひと振りするとジャンクっぽくてクセになる味に仕上がります。これ以外にも、顆粒のコンソメや鶏ガラスープの素をまぶしたり、カレー粉をまぶしたり、粉山椒、一味唐辛子、各種スパイスなどフレーバーの可能性は無限大。粉末系の調味料なら応用自在なのでお好みでいろいろ試してみてください。