ケニア出身の環境活動家ワンガリ・マータイさんは2005年に日本を訪れた時、ある日本語に感銘を受けました。
それは……「もったいない」
元々は不都合であるとかかたじけないという意味で使われていた言葉ですが転じてまだ価値のあるものが十分に活かされていない状態を指すようになった言葉です。
特に食べ物に対して「それまだ食べられるでしょ」という意図でよく使われます。
戦後すぐの頃、屋台のラーメン屋で丼に残った麺のかけらを天日に干して「ご自由におつまみください」と出したのがチキンラーメン誕生のヒントになったと聞いたことがあります。
身から外して残った鶏の皮を茹でて脂を落とし、ポン酢で和えたものは博多の屋台の名物になりました。
玉ねぎの薄皮はそれ自体食べられませんがブラウンシチューで一緒に煮込めばシチューの色がよくなります。
あるいは布の染め物に使うこともできると聞いたことがあります。
僕らの血の中には「これはまだ何かに使えるんじゃないか」と自然に考えるDNAが息づいているのかもしれませんね。
かく言う僕も大根の皮を細く刻んで浅漬けの具にしたり、きんぴらにしたりします。
この料理もそんなもったいないという思いから生まれた料理のひとつ。
考えてみれば大抵のものは揚げてしまえば食べられるんですよね。
【材料】(1人分)
-調理時間:5分-
- 里芋の皮:あるだけ
- 薄力粉:少々
- 揚げ油:適宜
- 塩、ブラックペッパー:少々
【作り方】
- 揚げ油を170度に温めます。
- 1.をやっている間に里芋の皮は土を洗い落とし食べやすい大きさに切って薄力粉を薄くまぶしておきます。油が温まったら里芋の皮を入れ2分揚げればできあがり。塩、ブラックペッパーを軽く振って戴きます。
【一口メモ】
- さくさくした食感が楽しい。ポテトチップスよりずっと軽い感じのスナックになります。おやつやお酒のおつまみにぴったりですよ。
- 里芋の料理をしたら必ず皮が残ります。本筋の料理を作っている脇でぜひ作ってみてください。揚げ油は天麩羅ほどの量は必要なく揚げ焼き程度の量(大匙4杯くらい)でも十分なので後片付けも楽です。
- 焦げやすいので揚げすぎに注意。揚げ時間は1分半から2分くらいで十分です。揚げたりなくても余熱ですぐに火が通ります。
- 林檎の皮や大根の皮などでやっても面白い料理ができそう。ぜひいろいろ試してみてください。