2022年春アニメに「であいもん」という作品がありました。
京都にある老舗の和菓子屋を舞台に心に屈託を抱えた人たちが織りなす人情物語。
NHKの朝ドラ味があって、ほっこりやさしい空気感の佳作でした。
タイトルの「であいもん」というのは京のおばんざいに使われる言葉が元になっていると思われます。
漢字で書くと「出合いもん」。
複数の食材を合わせた料理で食材同士がお互いに引き立て合うものを出合いもんと言うのです。
たとえば夏のおばんざいの定番に「にしん茄子」というのがあります。
身欠きにしんは京のおばんざいの定番食材で保存が利くので1年中使われますが夏場に合わせるといえば茄子。
脂の乗ったにしんを煮た煮汁で、淡白ななすを煮つける工夫は両方の食材の特性を熟知した経験から生まれたものでしょう。
過日、スーパーでノルウエー産の塩サバが安かったので購入。
で、ふと思いついたのが「にしん茄子」。
これはにしんではないけれど魚には違いない。
しかも塩サバなので脂が乗って味もそこそこ濃い。
淡白な茄子とは相性が良いのではと考えてこんな料理を作ってみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:7分-
- 塩サバ:1/4身
- 薄力粉:少々
- 茄子:1本
- ごま油:8g(小匙2)
[煮汁パート]
- だし汁(昆布出汁):80g
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- 砂糖:9g(大匙1)
- 生姜の千切り:スライス2枚分
【作り方】
- サバは骨を取って食べ易い大きさに切り、薄力粉を薄くまぶします。茄子は横半分に切って更に縦6つに切り、水に晒します。
- フライパンに胡麻油を入れて中火にかけサバを皮を下にして並べて焼きます。焼き色が付いたらひっくり返して同様に焼き一旦皿に取ります。
- 2.のフライパンを洗わずに茄子を並べ蓋をして弱火で5分蒸し焼きにします。[煮汁パート]を加えてひと煮立ちさせたら再び蓋をして中火で7分煮ます。
- 3.にサバを戻して中火にかけ煮汁を絡めながら水気がほぼなくなるまで煮詰めればできあがり。
【一口メモ】
- サバを焼いた後、フライパンを洗わずに使うことで茄子にサバの旨味が移ってめちゃ旨い。それでいてしつこくないのは生姜の爽やかさの手柄ですね。
- 本家、京のおばんざいではサバの代わりに身欠きにしんを使います。もし手に入るようでしたら水で戻して同じ手順で試してみてください。
- 塩サバの代わりにサバの味噌煮缶を使うのもあり。調味料要らずで楽ちんですよ。
- お好みで焼いたししとうを添えると色目的にも美味しそうに映えます。