一世を風靡したドラマ「24」はテロ対策ユニットの捜査官とテロリストの戦いを臨場感たっぷりに描いた大作で僕もせっせとレンタルビデオ屋でDVDを借りては観賞しておりました。
ストーリーはとても楽しめたのですが、反面とても疲れるお話だった覚えがあります。
主人公はだいたい10分に一度くらい、ピンチに陥ったり、待ったなしの選択を迫られたりするのですが、ついつい主人公と一緒になって僕も「次にどう動くべきか、何をすべきか」について真剣に考えてしまっているのです。

僕が就いていたSEという仕事もトラブル対応が日常茶飯事。
トラブルの性質は違うにしろ似たような選択や決断を迫られることはしょっちゅうでした。
一種の職業病だなぁと思いながら止められず、ドラマが終わる頃にはどっと疲れている──なんてことがよくありました(笑)
ホテルマンはオフでショッピングモールを歩いている時でも人とすれ違うと会釈してしまうことがあると聞きます。
飲食店で働いている人はたまの休みに居酒屋で飲んでいる時、通りかかったスタッフと自然にアイコンタクトを取ったり、空いたお皿をついひとつにまとめてしまったりすることがあるとか。

仕事などで身についた所作はたとえオフのシーンでも無意識にやってしまうもののようですね。
この特性を活かした訓練方法がいわゆる反復練習というやつなのでしょう。
小学校の頃にやらされた漢字の書き取りや計算ドリルなど当時は面倒くさくて嫌でしたが、辞書を引かずにさらっと文章が書けるのも、スーパーのレジでお釣りがいくらになるか素早く暗算できるのも──
あの面倒くさくて大きらいだった反復練習のおかげだと思えばありがたい気もします……、いや普通にありがたがれよ(笑)

けど、生意気なことをいうようですが先生たちの教え方にも問題があったと思うんですよ。
反復練習の大敵はその練習をする生徒たちのモチベーション低下です。
「なんで、こんなことやってるんだろう」──そんなふうに考えながら練習していたら十分な効果は望めません。
だからこそ、反復練習をする上で大切なことは『練習の目的』を明確にすることなんです。

何のためにやっているのかが分かれば、その目的を達成できた時のイメージも湧きますし、何に気を付けながら練習すれば良いかも見えてきます。
さて、今日のレシピは和食の基本を勉強できる要素がいろいろ詰まっています。
時々、思い出したように繰り返し作ればそれらのテクニックが知らず知らずのうちに身につくと思います。

それらが効果的に習得できるよう、どこがポイントかあらかじめ書き記しておきますね。
- 『豆腐の水切りのコツ』:電子レンジを使えば短時間で水切りができます。
- 『野菜の切り方』:包丁の刃は思っている以上に重量があり、素材をすっと撫でるだけで切れるものです。
なので包丁を持つ手の力は抜いて逆に素材を押さえる手は素材が動かないようしっかり力を入れてください。そうすれば硬い人参でも簡単に切れます。
- 『使う調味料の種類と分量の比率』:和食で使う調味料の黄金比はいくつかありますがこのレシピでは醤油:酒:みりん:砂糖=2.5:2:1:1です。
炒め物向きの比率ですのでぜひ覚えてください。(濃いめの味付けが好みなら3:2:1:1と覚えてもOKです)
- 『材料を炒める順番』:最初に脂を多く含む鶏肉、次に火が通りにくい野菜、次にすぐ火が通る豆腐、このあと、調味料を入れることですべての材料に味が均等に馴染みます。
液状の卵は最後に入れて熱で固めながらとじるのがセオリーです。
同様に日々、なんとなく作っている料理のレシピも「このレシピでは何の練習ができるだろう?」という視点で見直してみてください。

気を付けるポイントに気付けば料理の上達は早くなると思います。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- 木綿豆腐:半丁
- 鶏ミンチ:50g(もも肉、胸肉どちらでもOK)
- 人参:1.5cmの輪切り
- 生しいたけ:1本
- 溶き卵:1/2個分(約25g)
- 刻み葱:適宜
- ごま油:6g(大さじ1/2)
[調味料パート]
- 濃口醤油:15g(大さじ1弱)
- 酒:7.5g(大さじ1/2)
- 味醂:6g(小さじ1)
- 砂糖:6g(小さじ2)
【作り方】
- 豆腐をキッチンペーパーで包んで耐熱皿に載せます。これを電子レンジに入れ600ワットで2分加熱します。 ※キッチンペーパーで包んでレンチンすることで豆腐の水切りが高速で行えます。ただし、この後重石を載せてさらに水切りすると水分が抜けすぎるのでこのレシピではここまでで止めます。
- 1.をやっている間に人参は細切りに、椎茸は軸と笠を切り分けて両方ともスライスします。
- フライパンにごま油を入れて中火にかけます。これに鶏ミンチを加えて炒めます。ミンチの色が変わったら2.を加えてさらに1分炒めます。
- 3.に豆腐を手で小さくちぎって加えます。豆腐をしゃもじや調理用スプーンなどで崩しながらさらに1分炒めて水気を抜きます。
- 4.に[調味料パート]を加えて水気がほぼなくなるまで炒めます。これに卵を加えてざっくり混ぜながら卵に火が通ったらできあがり。器に盛って刻み葱を散らしていただきます。
【一口メモ】
- 田舎のおばあちゃん家に遊びに行ったら出されそうなお惣菜。ほっこり優しい味なので、好き嫌いが激しい人にもおすすめかも。
- 工程3.で鶏肉を加える前に生姜のみじん切りを加えて香りを立たせると風味がキリッと引き締まるのでおすすめですよ。
- [調味料パート]の濃口醤油を9gにして味噌6g(小さじ1)を加えると味が複雑になります。あと、オイスターソース6g(小さじ1)、濃口醤油9g(大さじ1/2)にすれば中華風のテイストになります。
- 作ってみて、このレシピにはけっこう和食の基本を勉強できる要素がいろいろ詰まっていることに気付きました。『豆腐の水切りのコツ』、『野菜の切り方』、『使う調味料の種類と分量の比率』、『材料を炒める順番』などが実地体験できるので、料理を練習中の方はぜひトライしてみてください。

