新潟県の民話に「あとかくしの雪」というのがあります。
行き倒れた旅人を助けた老婆が彼をもてなすために、お金持ち(お庄屋)の家の畑の大根を抜いて来てふるまうという話です。
一夜明けて旅人が村を去った後、雪が降り出し老婆の足跡を消してしまったという結末。
もちろん、大根を盗って来たのは良くないことですが、そこまでして他者を救おうとした老婆の心意気に免じてお天道様がお目こぼしをしてくれたということでしょうかね。
僕はこの話をまんが日本昔ばなしで観たのですが、大根がすっごくおいしそうだったのを覚えています(って、そこに目が行くのかい)。
子どもの頃は大根なんてたいして好きな野菜じゃなかったのですが、この時ばかりはしみじみ大根が食べたくなりましたね。
そんなことを思いだしながら2月のある日、こんな大根料理を作りました。
贅沢にもお肉なんか入れちゃって、あの旅人に出したら目を見張るんじゃないかな^^;
【材料】(1人分)
-調理時間:40分-
- 大根:3cm程度の輪切り
- 豚肉(バラがお薦め):50~70g
- 生姜:ひとかけ
- ごま油:少々
[煮汁パート]
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- 酒:30g(大匙2)
- 味醂:18g(大匙1)
- 砂糖:6g(小匙2)
- だし汁:200g(1カップ)
【作り方】
- 豚肉と大根は食べ易い大きさに切ります。生姜は千切りにします。
- フライパンに生姜とごま油を入れて中火にかけ香りが立ってきたら豚肉を加えて色が変わるまで炒めます。これを一旦皿に取ります。
- 2.のフライパンに大根を入れて軽く焼き色が付くまで焼きます。
- 3.に豚肉を戻して[煮汁パート]を加えてひと煮立ちさせます。弱火にし、アルミホイルで落し蓋をして30分コトコト煮ればできあがり。
【一口メモ】
- まんが日本昔ばなしの登場人物になった気になるお料理です。素朴なのになんだか贅沢な味。この料理の主役は間違いなく豚肉ではなく大根ですね。
- このレシピはかなり甘さ控えめにしています。お好みで砂糖と味醂を加減して下さい。
- 火力によっては水分が飛んで焦がしてしまうこともあります。時々チェックして水気がなくなりそうだったら水を差して下さい。