ドラマやアニメーションでオープニング曲がかかるまでの短いシーンのことをアバンタイトル、略してアバンと言います。
綴りはavant-titleなので正確にはアヴァンタイトルと書くべきかな。
小説で言えばプロローグにあたる部分ですが、お笑いの世界で言う「つかみ」のことだよと言ったほうがわかりやすいかも。
文字通り観客の心をつかんで「それからどうしたの? 続きが気になる! 早くオープニングが終わらないかな。」と思わせる重要なシーンなのです。
アバンが不出来だと興ざめした観客は早々にチャンネルを変えてしまいますから。
居酒屋料理でこのアバンに当たるのが付きだし(おしのぎ、お通しとも言います)で、これから出てくる店の料理への期待感を高める役割を一身に背負っています。
食材は旬のものを使っていること。
手抜きを感じさせない料理であること。
主役にはなり得ないけどヤミツキ感があって思わずおかわりをしたくなるような料理であること。
その条件はいくつも思いつけますが煎じ詰めて言うと店主のこだわりを感じさせる店の名刺代わりになる料理ということでしょうか。
朝晩めっきり寒くなって根菜が旬を迎える季節が今年も到来。
蓮根が安かったので購入しました。
で、晩酌に居酒屋の付きだし的なものが食べたくてこんな小鉢を作りました。
──作る側の視点から付きだしの条件をひとつ付け足しましょう。
作るのに手がかからず(調理工程が少なく)、何人分作ったって手間が変わらない料理であること。
けだし、この小鉢料理は付きだし向きと言えると思います。
【材料】(1人分)
-調理時間:9分-
- 蓮根:70gほど
- 塩:2g(小匙1/3)
- サラダ油:4g(小匙1)
- あおさ:小匙1
【作り方】
- 蓮根は5mm厚のいちょう切りにます。
- 1.をざるに揚げて水気を切ります。フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ蓮根を加えてさっと炒めます。そのまま蓋をして3分蒸し焼きにします。
- 2.の蓋を取って塩を加えてさっと炒めます。これを小鉢に移してあおさを振りよく和えればできあがり。
【一口メモ】
- 蓮根は焼くと独特の甘くて香ばしい風味が立つのですがそれが、あおさの磯の香とよく合います。なんかヤミツキになる味であっという間に食べちゃいました。
- 味は塩のみなのでできれば良い塩を使ってください。
- 1人分作るのも10人分作るのも手間は変わらない料理です。大人数が参加するホームパーティの付きだしにもおススメですよ。
- あおさの代わりに刻んだ焼き海苔を加えたりゆかりをはじめ、ご飯のふりかけを和えても美味しくいただけます。