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根菜の料理(和食)

山芋と菜の花の和え物

作品のジャンルを問わず長期連載漫画は共通の課題に直面します。

それは──作品の世界観と時代背景のズレが次第に顕著になること。

例えば当時としては珍しかった劇画調のギャグ漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所(通称:こち亀)」は1976年6月連載開始。

演劇漫画の金字塔「ガラスの仮面」の連載開始は1975年12月。

およそ同時期に始まったこのふたつの作品はいずれも随所に昭和の風物が色濃くちりばめられておりました。

が、21世紀に入るとさすがにその昭和テイストは読者にとっても違和感を覚えるようになります。

現実の時代と作品世界のギャップをどう扱うか──この共通の課題に対して両作が取った手法は好対象と言って良いほど真逆でした。

こち亀は時折、昭和テイストな話題を主人公の両さんの少年時代の回顧として描きつつ積極的に最新のテクノロジーや風物を取り入れていきました。

もちろんまともに両さんの年齢を数えれば「いったい、何歳だよ!」と言いたくなる矛盾が生じるのですがギャグ漫画であることを逆手に取って見事にオブラートに包んでしまいましたね。

他方、ガラスの仮面は徹底的に時代背景を変えない作戦。

物語が始まった年からまださほど年数は経っていないのですよという体を貫きました。

こちらは主題が演劇ですから敢えて時代の風物を描かなければ意外と違和感なく読めました。

それでも「桜小路君がガラ携でマヤの写真を撮った」だの「速水真澄がスマホを使った」だのこち亀なら話題にもならないようなことが大ニュースになるあたり読者の作品愛を感じました。

みんな熱心に読んでるんだなぁ(笑)

料理の世界にも時代に合わなくなったなぁと感じることどもはいろいろあります。

中でも旬に対する感性は昔と随分変わった気がするな。

旬を感じる素材と言えば主に野菜と魚だと思うのですがイマドキは野菜も栽培技術、保存技術の進歩して年中見かけるようになり、旬を感じにくくなりました。

魚も食卓から少し縁遠くなった分、そもそもいつが旬なのかを知らない人が増えたんじゃないかな。

むしろローストチキンや太巻き寿司、チョコレートといった方が「あ、もうそんな季節か」なんて呟く人が多かったりして。

旬と言う言葉の意味を見誤りそうですがこれこそ21世紀を生きる僕らの旬の食べ物なのかもしれませんね。

過日、八百屋さんで菜の花が1束100円で売られていました。

春を感じたくて買って帰ってこんな小鉢料理を作ってみました。

素材の旬を知っていようがいまいがその時期の素材の味が一段良くなるのは今も昔も変わりません。

ならば誰もが旬を忘れ行く時代になったとしても旬の素材をいただく意義は十分あると思うのです。

【材料】(1人分) 

調理時間:7分-

  • 山芋:3cm分
  • 菜の花:1株

[茹で汁パート]

  • 水:200ml(カップ1)
  • 塩:ひとつまみ

[調味料パート]

  • ポン酢醤油:7.5g(大さじ1/2)
  • ごま油:2g(小さじ1/2)

【作り方】

  1. 山芋の断面に大き目のフォークを刺してコンロの直火でまんべんなく皮を炙ります。これを冷ましてから5mm角の拍子木に切ります。 ※炙った直後は熱くてやけどのおそれがありますので冷めてから切ってください。
  2. 1.をやっている間に小鍋に[茹で汁パート]を入れて強火にかけひと煮立ちさせます。待っている間に氷水を用意します。沸騰したら菜の花を投入し1分茹でます。茹で上がったら速やかに氷水に移して急冷します。きっちり冷めたらざるに上げて水気を切ってから3cm幅に切ります。 ※青物の葉野菜は急冷することで鮮やかな緑色が保てます。これは“色止め”という技法です。
  3. ボウルに山芋、菜の花と[調味料パート]を加えてよく和えます。これを器に盛ればできあがり。

【一口メモ】

  • 菜の花の黄色と緑。山芋の白。目にも鮮やかな春を楽しむ小鉢料理です。ポン酢醤油を使っているので柚子の香りと酸味が立ってなんとも心地よいですよ。
  • 合わせる主菜は肉料理や揚げ物など油気の多いものがおすすめ。口の中をさっぱりしてくれて良い箸休めになります。
  • 柚子の実の手持ちがあればポン酢醤油ではなく柚子を絞って醤油(できれば良いものを使ってください)と合わせてください。皮も細切りにして和えるのがポイント。料理のグレードが一段高くなりますよ。

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