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スープ

ニラとわかめの中華スープ

僕は子供の頃、絵に描いたようなテレビっ子で、夕方からゴールデンタイムにかけてのアニメ番組を毎日楽しみにしておりました。

ところが、ある冬の日の夕方、テレビを点けると──アニメをやっていない!

なんかのニュース番組?

にしては、ずっと山の雪景色を映しているだけで、画に変化がない。

「なんじゃこら」と思ってチャンネルを変えてみたのですが、どの局もだいたい同じような風景映像。

とりあえず、アニメをやっていないことはわかったので、すぐにテレビを切りましたっけ。

けれど、まさかそれから数日、アニメが放送されることはなく、延々と雪景色が映っているだけの放送が流されようとは、その時点では予想もしていませんでした。

僕のフラストレーションは大いにたまったのですが、世間はそれどころではなかったのだと知ったのは、ずいぶん後になってからでしたね。

そう、テレビに映っていたのは、俗にいう「あさま山荘事件」の実況映像だったのです。

事件の概要をここで書くと長くなるので割愛しますが、興味のある方はウィキペディアを読んでみてくださいな。

ともあれ、不謹慎な言い方になっちゃいますが、絵面の変化が乏しい実況映像に飽きていたのは、アニメ好きの子供だけでなく、多くの大人もそうだったんじゃないかと想像します。

そんな中で、視聴者の目を惹いたものがありました。

機動隊の人たちが、立ったまま何か麺料理のようなものを啜っている!

それこそが、前年に新発売されたカップヌードル。

世界初のカップ麺だったのです。

認知度の低さから思うように売れ行きが伸びず、苦戦していたカップヌードルが、あさま山荘事件をきっかけに爆売れした──なんて話を耳にした方も多いのではないでしょうか。

実食してみると、この商品の凄さに驚いた人も多かったと思います。

お湯をかけるだけで料理ができる──このアイデアは、20世紀最大の発明のひとつだと僕は思っています。

先陣を切ったのは、日清食品から1958年に発売されたチキンラーメンだったわけですが、13年後の1971年に登場したカップヌードルは、その進化系。

麺だけでなく、具も全部入っている!

さらに器まで付いているので、食器のない状況下でも、お湯さえあれば熱々の料理が食べられる!

「あんぱんに牛乳はもう古い。これさえあれば、調理もままならない現場でも熱々の料理が食べられるんだぜ」

──なんて考えていたかどうかは知りませんが、機動隊のおじさま方は、図らずも身をもってその凄さ、便利さを実演してしまったんですね。

その後、「お湯を注ぐだけ」という文化は、クノールのカップスープを皮切りに、さまざまなインスタント食品に引き継がれていきます。

当のカップヌードルの進化もすさまじく、あさま山荘事件のあった年には「カップヌードル天そば」なるものが発売されたとか。

全然覚えてないけど、ちょっと食べてみたいかも。

どうやって天ぷらを再現したんだろう。

今では、トム・ヤム・クン、シンガポール・ラクサ、ペルー式チキンのクリーム煮込み味など、世界の料理が「お湯を注ぐだけ」で食べられる時代になりました。

これほど便利なカップ麺やカップスープですが、その便利さゆえに、僕らはある先入観にとらわれてしまっているような気がしてなりません。

それは──「買ってこないと食べられない」と、思い込んでいること。

カップ麺が食べたければカップ麺を買ってこないといけない。

カップスープが飲みたければ、カップスープの素を買ってこないといけない──そう考えてしまいがちですが、それは本当でしょうか。

家には、醤油や塩をはじめとして、いろいろな調味料があります。

コップに火の通りの良い野菜や乾燥わかめを入れて、それらの調味料を加え、お湯を注げば……。

ちゃんとカップスープができちゃうのです!そんなはずはない、と思うならば、ぜひこのレシピをお試しくださいな。

【材料】(1人分) 

調理時間:3分-

  • にら:2本
  • ごま油:2g(小さじ1/2)
  • 乾燥わかめ:ひとつまみ
  • 炒りごま:適宜
  • 鶏がらスープの素:小さじ1/2
  • 濃口醤油:3g(小さじ1/2)
  • 塩:ひとつまみ
  • ホワイトペッパー:少々
  • 熱湯:200g(カップ1)

【作り方】

  1. にらは3cm長さのざく切りにします。お湯以外のすべての材料を、大きめのマグカップなどに入れます。
  2. 1.に熱湯を注ぎ、よくかきまぜればできあがり。

【一口メモ】

  • 中華?、韓国風?、なんかそんな感じの明らかに和食ではないアジアンテイストです。インスタント的なお手軽さなのににらやごまの風味がリアルで本格的な スープが楽しめる一杯です。わかめのしっかりした食感もインスタントより数段良き。
  • インスタントスープの味付けに使える調味料は家の中に意外と転がっています。鶏がらスープの素などはもちろん、醤油と酢を合わせただけでも酸っぱ辛いテイストが出せたりします。HOTな辛味が欲しければ七味唐辛子をひと振り。あとはお湯を注げばできあがり。
  • 鶏がらスープの素がなければ袋ラーメンの粉末スープを1/4袋分使って醤油、塩で味を調えるのもありです。うちは減塩対策でラーメンスープは1/2量で作るので粉末スープのストックがいつでもあるのだ(笑)

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