今ではけっこう全国区で有名になった「名古屋めし」ですが改めて定義しろと言われると悩ましいです。
名古屋またはその界隈発祥の料理である。
これは間違いありません。

けど、名古屋で作られたらなんでも名古屋めしと呼ぶかというとちょっと違う気がします。
その特徴は……
- 元々は全国的に知られた既成の料理がベースになっている
- 味噌ベースなど味の濃いものが多くB級グルメっぽい
といったところでしょうか。

名古屋めしという言葉自体は意外に新しく21世紀になってからできた造語だそうです。
2001年に名古屋に本社があるゼットン(舌呑)が東京進出した折に流行のイタ飯の向こうを張って「なごめし」として紹介しようという雑誌の企画があったらしい。

それをゼットンの社長が「よりストレートに名古屋めしにしたらどうでしょう」と提案してこの言葉が生まれたとか。
その後、続々と名古屋の飲食店が東京進出を果たして名古屋めしという言葉の認知度が上がっていきました。
そのムーブメントに牽引されて昔からある名古屋発祥の料理も名古屋めしとして知られるようになったみたい。
台湾ラーメンなどはその好例で1970年代に考案されたものらしいですが21世紀になって全国的に有名になりました。

そこから変化して生まれた台湾まぜそばなんて料理もありますね。
ちなみに、「台湾ラーメン」というのは名古屋にある台湾料理店「味仙(みせん)」で台湾をイメージして考案されたもので台湾に行っても売られていません。
味仙では更にこれを焼きそばにアレンジした台湾焼きそば(台湾まぜそばとは別物)もあってカップ麺も売られているらしい。
過日、その食レポ記事を見かけてからむしょうに食べたくなったので試作してみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:12分-
- 焼きそば:1袋
- 豚こままたはひき肉:50g
- ニラ:2、3本
- もやし:50g
- にんにく:ひとかけ
- ごま油:12g(大匙1)
[調味料パート]
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- オイスターソース:12g(小匙2)
- 酒:10g(小匙2)
- 砂糖:ひとつまみ
- 豆板醤:6g(小匙1)
- 鶏ガラスープの素:小匙1/2
【作り方】
- 焼きそばは電子レンジの500ワットで1分チンする。豚肉は食べ易い大きさに切ります。もやしは1分下茹でするか熱湯をかけて火を通しておきます。ニラは根本を切り落として4cm幅のざく切りにします。にんにくはみじん切りにします。
- 中華鍋にごま油の半量(6g(大匙1/2))を入れて中火にかけます。これに焼きそばを入れて両面に焼き色が付くまで焼きます。更にもやしとニラを入れてさっと炒めこれを皿に取ります。
- 2.の中華鍋にごま油の残りとにんにくを入れて中火にかける。香りが立ってきたら豚肉を加えて色が変わるまで炒める。更に[調味料パート]を加えて絡ませます。
- 3.に2.で皿に取った材料を加えて水気がなくなるまで炒めればできあがり。
【一口メモ】
- 豆板醤が利いてホットな辛さが楽しめます。ソース焼きそばとの一番の違いはオイスターソースを使っていること。めっちゃ中華っぽい風味の炒麺(チャンメン)に仕上がりますよ。
- やきそばは予めレンチンしておくとほぐれやすくなります。もやしは案外に太さがあるので生のまま炒めると表面は火が通り過ぎて芯は生のまま──となってしまいがち。面倒でも湯通しして芯まで均一に火を通して下さい。逆に炒める時間は短めに。そうすればシャキシャキ感を残すことができます。
- 調味料は気持ち多めに調整しています。名古屋めしの特徴は濃い味付け。塩分のことは一旦忘れて本場の味を楽しんで下さい。
- 手持ちがあれば花椒(ホワジャオ)を工程4.で加えて下さい。ピリッと舌に来る辛さが加わってより本格中華っぽい味になります。

