ピラフは本来、米をスープで炊く炊き込みご飯のような料理でスペインのパエリアに近いものです。
ただ、日本では──特に日本の喫茶店では焼き飯にこの名前が付けられていることが多いんですよね。
なので外国人がメニューにあるピラフを注文したら出てきた料理にびっくりするかも。
けど、日本人にとってはあまりにそれが当たり前になっているのでたぶん何も思わないでしょう。
喫茶店のピラフはそういうものという刷り込みが出来上がっている気がします。
──なんならそもそもピラフという料理は焼き飯を洋風に言い換えた料理だと思い込んでいる人まである気がします。
ま、喫茶店のピラフはあれで美味しいですので僕も「これじゃない」なんて大人げないことを言う気はさらさらありません。
ただ、なんでピラフ=焼き飯になったのかその歴史というか経緯が気になっていてたまにネットで検索したりしています。
統一見解は未だ見いだせていないのですがとある喫茶店店主の意見によると
「ご飯を炊き込むのには時間がかかる。炊き込みご飯的なピラフを求める客は少数派なので作り置きしておくなんてやってられない。だから焼き飯をピラフという名前で出してんだ」
ですって。
いや、それは焼き飯=ピラフになった説明になってない。
最初から「焼き飯」という名前でメニューに載せておけば良いのでは?
という気がしないでもないのですが炊き込みご飯的ピラフは時間がかかるという部分に関しては同意見です。
ピラフに使う米は普通のご飯のように水に浸けておくことはせず、いきなり炒めて炊きますのでその分は時短できます。
それでも完成までには30分近くかかります。
注文してから30分待っても料理が出てこなかったら客は「ピラフごときにどんだけ時間をかけてんだ」と怒り出すでしょう。
だって大半の客が焼き飯が出てくると思っていますから。
とまれ昭和の昔から日本の喫茶店でピラフを注文すれば焼き飯が出てくるというのは令和の今になっても暗黙のお約束と言っても過言ではないと思います。
その証拠にとあるランチタイム、「カレーピラフ」が食べたいなと思ってレシピを検索したら米ではなくご飯を使った焼き飯的ピラフのレシピが上位を独占していました。
多数決を取るわけでもないのですがそれに便乗してちょっと美味しそうなレシピを参考にこんな焼き飯……もといピラフを作ってみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- ご飯:1膳分
- 鶏むね肉:30g
- 玉ねぎ:1/4個
- 人参:3mm厚のスライス2枚
- にんにく:ひとかけ
- ピーマン:半個
- バター:10g
[調味料パート]
- コンソメスープの素(顆粒):小匙1/2
- 塩:1g(小匙1/6)
- カレー粉:小匙1
- ブラックペッパー:少々
【作り方】
- 鶏肉は1cm角に切ります。玉ねぎ、にんにく、人参、ピーマンはみじん切りにします。
- フライパンにバターと玉ねぎ、にんにくを入れて弱火にかけます。バターが融け切って香りが立ってきたら人参を加えて中火で2分炒めます。
- 2.にピーマンを加えてさっと炒めご飯を加えてほぐしながら1分炒めます。
- 3.に[調味料パート]を振りかけてよく和えればできあがり。
【一口メモ】
- ちょっと刺激的なランチが食べたいと思った時におススメの1品。しっかりスパイシーで美味しい焼き飯に仕上がります。
- いわゆる洋食の炊き込みご飯的ピラフではないのですがそれでも洋食っぽいので焼き飯というよりはピラフという名前の方がしっくりきます。いずれにせよ炊き込みご飯と違ってあっという間にできちゃうので忙しいランチタイムにはぴったり。
- より本格的にチャレンジしたい場合は[調味料パート]
- にお好みのスパイスを加えましょう。おススメはチリパウダー、クミン、ナツメグ、オールスパイスなどです。あと、カルダモンパウダーを加えるとちょっとアジアンテイスト寄りの風味になりますよ。