かつて、サントリー・ローヤルのCMにピーター・フォーク(刑事コロンボをやってた俳優さん)が起用されたことがありました。
ピーターがバーテンダーをやっている店にいろいろな客がやってきて言葉を交わす30秒のCMでしたが味があって好きだったな。
客は全員日本人で日本語を喋っているのにピーターは英語で返す。でもなぜか言葉が通じているというのはご愛嬌^^;
というか、それすらファンタジックなテイストを醸し出していて『不思議なBar』の演出に一役買っていました。
そのCMシリーズの1つにこんなバージョンがありました。
店の入口に置いてある電話で恋人と口論する女性(徳丸純子さんでした)。
電話を切ってスツールに座った女性はしょんぼりしている。
するとピーターがこう話しかけるのです。
「映画はお好きですか?」
唐突な話題に戸惑いながら硬い表情でうなずく女性。
「ファーストシーンは喧嘩でもね、ラストシーンではハッピーエンドになりますよ」
ピーターの言葉が体に染み込んでいくように女性の表情がゆっくりと柔らかくなる。それだけのCMです。
それだけなのになんてドラマ性豊かなんだろうと感動。
そして役者の動きにも演技にも一切のムダがないことに感心。
その演出の見事さもさることながらこの短いCMは「見えているのに見えていないもの」に気付かされるという一面がありました。
言われてみれば映画ってそういうもんですよね。
けど、それでも観客はやきもきしてしまう。一喜一憂してしまう。
さて、この料理、言ってしまえば葉野菜をご飯に混ぜただけの料理です。
作ろうと思えばいつだって作れる。
けど、案外思いつけなくて、「今晩の献立なんにも思いつかないっ」なんて愚痴っていたりして。
「見えているのに見えていない」一椀をどうぞ。
【材料】(1人分)
-調理時間:5分-
- (わさび菜以外の具材はなければ省いてもOK) ご飯:1膳分
- わさび菜:1株
- アミエビ:ひとつまみ
- ごま油:少々
- かつお節:1g(小分けパックが便利です)
- いりごま:少々
- 鶏ガラスープの素:小匙1
【作り方】
- フライパンにアミエビを入れて弱火にかけ香りが立つまで炒めます。わさび菜はみじん切りにします。 ※先にアミエビを仕掛けるとわさび菜を切っている間にフライパンの余熱でアミエビがこんがり焼けます。
- 1.と残りの材料を丼に合わせてよく混ぜればできあがり。
【一口メモ】
- 鶏ガラスープの塩気とごま油の取り合わせ。わさび菜の辛味。アミエビ、いりごまの香り、かつお節の風味。この取り合わせで美味しくないわけがないじゃないですか。
- 特に並行作業はありませんので段取り良く作るには手を止めないこと。常に次に何をするのか考えながら手を動かしましょう。
- 2.の工程で混ぜる時はしゃもじをよく濡らしてから混ぜましょう。そうするとご飯がくっつきません。当たり前のテクだと思っているのですが最近、エンボス加工のしゃもじなら濡らさなくてもOKと思っている人もいると知ったので念のため。
- 生食できる葉菜であればなんでもわさび菜と置換可能です。和風の野菜がオススメだけど中華やレタスなどの洋風のものを使うとテイストが変わってまた楽しいですよ。