スペイン料理のアヒージョを初めて食べたのはいつだったか、記憶が定かではありません。
たしか、速水もこみちの料理番組で話題になって(というか、炎上して?)、ものは試しとレシピを調べて自分で作ったのが最初だった気がします。
初めてアヒージョを食べた感想は……
「オリーブオイルって、こんなに美味しい“食べ物”だったんだ」というものでした。
独特の風味とコクがあって、塩によく合う。
「いやもうこれ、具材いらないじゃん。オリーブオイル温めて塩振って食べればいいじゃん」
とまで思った気がします(笑)
そう思った瞬間、「オリーブオイルをあんなに大量に使うなんて非常識だ」と料理番組を非難していた人たちに、申し訳ないけど、僕は思いっきり冷めた目を向けてしまいました。
まさに「そういうことは食べてから言え」だと思ったのです。
『油を食品として“食べる”』ことに、僕が興味を持ったのは、それ以来です。
調べてみると、世界には意外と油をたっぷり使う料理がたくさんあります。
たとえば日本には天ぷらという料理があります。
「オリーブオイルを大量に使うなんて」と言っていた人たちは、天ぷらを食べたことがないんだろうか……と思ったものです。
しかも、アヒージョはオイルごと食べる料理ですが、天ぷらの揚げ油は使い終わったら捨てるんですよ。
もったいないというなら、そっちの方がよっぽど……なんて思ったり。
中華料理の“葱油鶏(ツォンヨウジー)”や“油淋鶏(ユーリンチー)”も、たっぷり油を使いますし、洋菓子のフィナンシェやマドレーヌにどれだけバターが使われているか知ったら、卒倒する女子もいるんじゃないかな(笑)
オイルサーディンやオイル漬けアンチョビなんかは、おつまみにしたらビールが止まらなくなる気がします。
それにね、食品としての油は、必ずしも「高カロリーで悪者」というわけではなく、ちゃんと効用もあるのです。
[効用1]脂溶性ビタミンの吸収促進 ・ビタミンA・D・E・Kは、油がないと吸収されない。
- たとえばサラダには、ノンオイルドレッシングよりオリーブオイルを少量かけた方が栄養吸収率が良い。
[効用2]良質な油は脳の働きやホルモンバランスに関与
- DHA・EPA(魚の油)やオメガ3脂肪酸(亜麻仁油、えごま油など)は、脳の健康維持に重要。
- 植物性のオレイン酸(オリーブ油)には、悪玉コレステロールを減らす効果もある。
[効用3]満足感が高く、食べすぎ防止に役立つ ・油を適量摂ることで満腹感が出て、間食やドカ食いを抑えやすくなる。
- 特に香りの良い油(ごま油、バターなど)は、「香りで食べる」満足感も高い。
そして何より、**油本来の風味は、意外と“美味”**なのです。
過日、たっぷりのオリーブオイルに味噌マヨネーズを加えた、悪魔的なサラダを作ってしまいました。
サラダは本来、夕飯の脇役ポジションではありますが、「このサラダは主役級でもおかしくない」と感じたので、ひとくさり。
悪者にされがちな“油”を、擁護してみた次第です。
【材料】(1人分)
-調理時間:17分-
- 鶏ささみ:2本
- 大根:1cmの輪切り
- 粗挽きブラックペッパーまたはドライパセリ:適宜
[ドレッシングパート]
- 味噌:6g(小匙1)
- マヨネーズ:4g(小匙1)
- 味醂:9g(大匙1/2)
- オリーブオイル:12g(大匙1)
【作り方】
- ささみを茹でる湯(分量外)を沸かします。待っている間にささみの筋を取り、観音開きにしておきます。湯が沸いたらささみを入れ湯が沸いたらささみを入れ、再沸騰したら火を止めてフタをし、10分置きます。 ※沸騰していない湯でゆっくり火を入れることで、ささみがパサつくのを抑えられます。
- その間に大根を皮ごと千切りにします。[ドレッシングパート]の材料をよく混ぜておきます。
- ささみを引き上げて粗くほぐし、大根とドレッシングと一緒にボウルで和えます。器に盛って、粗挽きブラックペッパーを振ればできあがり。
【一口メモ】
- 味噌とマヨネーズって、実は相性抜群なんです。そして、たっぷり加えたオリーブオイルの風味もたまりません。
- 「マヨネーズ+油なんて体に悪そう」と思われがちですが、油は必ずしも“悪者”ではありません。脂溶性ビタミンの吸収促進や、脳・ホルモンの働きにも関与します。満足感が高いので、食べすぎ防止にも◎。
- お好みで一味唐辛子やカイエンヌペッパーを加えると、ピリ辛に味変できてまた楽しいですよ。