いわゆる"時短レシピ"が流行り出したのはいつ頃からでしょう。
具体的な年数は言えないのですが僕の肌感覚では2010年代半ば頃からじゃないかなという気がします。
ちょうどSNSが流行り出した頃で、"時短レシピ"が拡散されやすくなったことも、ブームの後押しになった気がします。
外食や買ってきたものを食べる中食のように調理的な行為を一切行わないのも広義の意味では時短と呼べるのでしょうけどそれは一旦置いておいて、ここでは調理的な行為を伴う作業の時短について語らせてください。
"調理"という作業を要素分解することで、時短テクは体系的に分類できると僕は思っています。
"調理"とは──食品、食材を加工する作業のことです。
その作業は4つのステップに分解することができます。
- 切る
- 下ごしらえをする(下味を付ける)
- 火を入れる(火を通す)
- 味付けをする(調味する)、仕上げる
”料理の時短テク"とは、これら4つのステップのいずれかひとつ又は複数のステップに工夫を凝らして調理時間を短くするテクニックと定義することができます。
時短のテクニックは大きく3つの系統に分類できます。
①道具を使う
例えばピーラーを使えば"切る"作業は格段にはかどります。
フードプロセッサーを使えば更にパワーアップ。
味付け関連で言うと『これ1本で味が決まる!』みたいなうたい文句の合わせ調味料を使えば個別に調味料の分量を計る手間が省けます。
電子レンジや圧力鍋を使えば"火を入れる"時間は短縮できます。
②いずれかのステップを人に任せる(外注する)
例えばカット野菜を買って来れば"切る"作業を省略できます。
タレ漬けされたお肉を買って来れば"下ごしらえをする"を省略できます。
さらに冷凍食品を買って来れば①から④までの作業をすっ飛ばして温め直すだけで済むので大幅な時短になります。
③調理法を本質的に変えてしまう
例えば焼きそばは熱した鉄板で中華麺を炒めて作る料理です。
ところがカップ焼きそばはお湯を注ぐだけでできてしまいます。
ただ、新製品として売りだされた時から「焼いてないのは焼きそばとは言わなくね?」と揶揄されていた通り、根本的に本来の焼きそばとは違う調理法を採用しているんですよね。
でも時短は時短。
美味しければそれで良しと考える人も少なからずいるでしょう。
長々と書きましたが、なぜ時短テクを体系的に分類しようと考えたかというと、その分類を活用すれば誰かが考えた時短テクを真似ずとも、自分で時短テクを考えられるようになるからです。
ここまでに書いた情報は"調理の4ステップ"を横軸に"時短テクの3系統"を縦軸にした2次元の表にまとめることができます。
その表を眺めながら今晩作ろうと考えているおかずをどこに当てはめることができるか探せば、どんな時短テクが使えるかは自ずと見えてきます。
例えば、今日の料理──"冷製もずく汁"の調理工程を分解してみます。
- 切る→きゅうりのスライスはスライサーを使うことで時短できます。
- 下ごしらえをする(下味を付ける)→市販のもずく酢は三杯酢などに漬けた商品ですので下味を付ける作業を省略できます。さらに漬け汁を一緒に使うことで、仕上げの調味で改めて酢を加える必要がなくなります。
- 火を入れる(火を通す)→通常は出汁を取るために一旦スープを加熱する必要がありますが、顆粒のかつおだしの素を使えば、火入れは不要になります。
- 味付けをする(調味する)、仕上げる→醤油の風味を補うために顆粒の鶏がらスープの素を使えばおろしにんにく等を別で加える必要はありません。→レモン果汁はポッカレモンを使えばレモンを絞る時間を省略できます。
このようにして、調理のステップごとに時短の工夫がこらせないか見極めていけば、ネットで時短レシピを検索しなくても、時短のアイデアは自ずと見えてきます。
あとは、日々、訓練を重ねるのみ。
ぜひチャレンジしてみてくださいな。
【材料】(1人分)
-調理時間:2分(冷蔵庫で冷やす時間は含めていません)-
- もずく(市販の3個パックのやつ):1パック
- 胡瓜スライス:2枚
- 炒り胡麻:少々
[スープベースパート]
- 出し汁(鰹出汁):150g(カップ3/4)
- 濃口醤油:6g(小さじ1)
- 鶏がらスープの素:小さじ1
- レモン果汁:5g(小さじ1)
【作り方】
- [スープベースパート]を器に合わせてよく混ぜます。これに残りの材料を加えてひと混ぜすればできあがり。冷蔵庫でよく冷やしていただきましょう。
【一口メモ】
- 酢とレモンの酸味がしっかり効いて、飲むだけで汗が引く夏向けのスープです。
- 市販品のもずく酢や顆粒の調味料を駆使すれば2、3分で作れちゃう超時短スープです。スープ的なものを用意し忘れた時のお助けレシピにもなりますので、ぜひご活用あれ。
- もずく酢はそのまま食べるだけでなくスープや煮物にも活用できる超便利アイテムです。3連パックで100円くらいですし、常備しておいて損はありませんよ。