大学時代の先輩が数年前に病気で亡くなりました。
数少ない親友であり、寂しくはあるのですが、お互いそういう年になっているという覚悟はあったので、それほど悲しくはないかな、と思っています。
とにかくポジティブな性格の方で彼の言動には学ぶことが多くありました。
特に記憶に残っているのは、「ハワイ旅行に行きたいと思って、本当に行ける人の特徴」の話です。

「いつか行けたらいいなぁ。なんて考えている人はだいたいいつまで経っても行かれへんねん」
そんな風におっしゃっていました。
本当に行ける人は会社の帰りにでも旅行会社に寄ってパンフレットをもらってくる。
そして、自分がハワイで旅行を満喫している具体的なイメージをまず最初に描く(=ゴールの設定)。

それから、いつ行くのか、誰と行くのか、(ハワイの)どこに行くのか、そこで何をしたいのか、いくらくらいお金があれば行けるのか──5w1hを具体的に描いていく。
この段階で弱気になって「国内旅行でも良いか」なんて考える人は、やはりハワイには行けない。
その時点でゴールがブレているから。

その次に、行くまでにしないといけないこと──
- お金を貯める
- パスポートを申請する
- 旅行道具を買いそろえる
などなど──を洗い出して”いつ行くか"で決めた日程から逆算して、それらをいつやるかを決める(=ゴールに上がっていくための梯子を作る)。

あとは、その梯子を上っていくだけで、気が付いたらハワイに行けてるねん──なんて、おっしゃってましたね。
まさしく、その通り。
僕も何度となく彼のこの考え方に勇気づけられました。

レシピを紹介するホームページを立ち上げた時も。
ラジオ局のドラマ原作の公募に応募する小説を書いた時も。
初めて、AmazonKindleから本を出した時も。
途中で何度も「こんなんできるわけないやん」と弱気になるたびに、ハワイ旅行の教えが僕の背中を押してくれました。

気が付けば──レシピのホームページは間もなく3500レシピを超えようとしていますし、ドラマの公募は優秀賞をいただいて生まれて初めて小説で賞金を獲得しました。
Kindleから出版したレシピブックも20冊を数えました。
ずいぶん高いところに来た気がしますが、振り返ってみると、それは単に自分で作った梯子を一歩、一歩上ってきただけなんですよね。

2025年の秋にニコニコ動画でやっていた「シンデレラ・シェフ」という中国アニメに少しハマっていました。
ヒロインは現代のレストランで活躍する若き料理人。
彼女がひょんなことからタイムスリップして数百年前の中国で料理の腕を振るうというお話です。
毎回、美味しそうな料理が出てくるのが見どころのひとつなのですが、とある回で今日の料理「大海老のにんにくソース蒸し(蒜蓉蒸大蝦(サンヨウツェンターシャー))」が登場しました。

お祝いの席などに供される見た目も豪華な大皿料理なのですが、それを見た娘が「これ美味しそうやん」──来年のおせちに作ってよ、と軽々しくリクエストしました。
いや、どう考えてもこれはプロがお店で出すような料理でしょ。
家庭で作るのは無理があり過ぎるのではと思ったのですが、食べてみたくはあったので一応レシピを検索してみたのです。
確かに、工程数は多いし、複雑。

けれど個々の手順は言うほど難しくない。
手順を細かく分解して、僕ができそうなレベルに簡素化して、それをひとつ、ひとつ、梯子を上るように確実にこなしていけば、完成までいけるような気がしてきました。
何といっても「大海老のにんにくソース蒸しを正月に食べる」というゴールは最初から明確になっているのですから。
結果は写真を見ていただければわかりますよね。

念願通り、2026年のお正月には「蒜蓉蒸大蝦(サンヨウツェンターシャー)」を娘とつつきながら、酒を飲むことができました。
せっかくなのでレシピを書き残しておきます。
【材料】(2人分)
-調理時間:20分-
- 有頭海老:4尾
[海老用調味料パート]
- 酒:10g(小さじ2)
- 濃口醤油:6g(小さじ1)
- 塩、ホワイトペッパー:少々
[海老用薬味パート]
- にんにく(みじん切り):ひとかけ分
- 生姜(みじん切り):スライス2枚分
- サラダ油:8g(小さじ2)
[仕上げパート]
- パプリカ(赤):半個
- パプリカ(黄):半個
- 白ネギ:白い部分4cm
- カイワレ大根:適宜
【作り方】
- 海老は頭を外し、首の付け根からしっぽに向けて背にハサミを入れます。切り目に包丁を入れて海老を開きます。開いた海老の身に5mm間隔で斜めに包丁目を入れます。これを耐熱皿に盛り付けます。
- [海老用調味料パート]を合わせてよく混ぜ、刷毛で海老の身に塗ります。その上に[海老用薬味パート]をまんべんなく載せます。
- 2.をスチームコンベクションオーブンで10分蒸します。(加熱水蒸気200度)
- 3.をやっている間に[仕上げパート]の白ネギは縦半分に割り、芯の部分を除きます。残りを細切りにして水に晒して白髪ねぎを作ります。パプリカは7mm角の角切りにします。
- 4.の白髪ねぎをざるに上げて、水気をキッチンペーパーで拭き取ります。3.に[仕上げパート]をトッピングすればできあがり。
【一口メモ】
- 参考にしたレシピは中華調味料を多用していて手順も複雑だったのですが、家庭で手軽に作れるように簡素化してみました。それでも見た目の豪華さは損なわれていませんし、何より美味しかったので問題なしです。
- このレシピではスチームコンベクションオーブンを使うことで"レンチン"レベルに楽をしていますが、普通のオーブンを使う場合は天板に熱湯を張って200度で10分焼いてください。
- 工程1.の海老を開く作業はプロの料理人なら包丁技の見せ所なのでしょうが、実はキッチンバサミを使うとめっちゃ簡単にできちゃいますのでおすすめです。
- 今回、海老を4尾使ったので放射状に盛り付けてみましたが数尾使う場合は長方形の皿を使って横並びに盛るのもありですよ。

