飲食店には『メニューを見ずとも注文できてしまう料理』というものがあると思います。
例えば中華飯店に入ってメニューを開きもせずに「麻婆豆腐定食」と言えば言われた店員がきょとんとすることはまずないでしょう。
つつがなくオーダーが通って麻婆豆腐定食が出てくると思います。
「酢豚定食」とか「炒飯」なんて頼んでも同じこと。
うどん屋に入って「きつね」と言ったら「すみません、うち出してないんですよ」なんて言われる珍事に遭遇したという話も聞いたことがありません。
同様に居酒屋に入って「とりあえず生中ね」と言ったら「なま……ちゅう? なんですかそれは」と訊き返された──
なんてことがあったら新喜劇的なボケかと思っちゃいます。
ならば、ビアガーデンやビアホールでメニューを見ずに頼める料理は何か?
というのを考えてみました。
すぐに思い付くのは「若鶏のから揚げ」、「フライドポテト」、「ソーセージの盛り合わせ」かな。
というか僕ならこの3つは外せないところなので店員さんが来たら開口一番に注文して店員さんが去ってからようやくメニューを見て「他に何を頼もうかな」って物色し始めると思います。
中でもソーセージの盛り合わせは別格。
唐揚げやポテトは家でも作って食べられますがいろいろなソーセージの盛り合わせを家で食べるのはコスパが悪すぎてお財布に厳しい。
「今、ここで食べ損じたら次にソーセージ盛り合わせを口にするのはいつになるかわらかんぞ」
そんな衝動に駆られていの一番に注文する一皿だと思います。
と、いうくらい僕はソーセージが大好きなのですが例えばもらい物などでちょっと良いソーセージが手に入ったとしてもけっこう持て余してしまうんですよね。
……、焼いてマスタードとケチャップを付けて食べる以外の方法が何も思いつかないのです。
脳裏に浮かぶのは単品のソーセージのみの皿。
他の食材とどう合わせたら良いかイメージできない。
これでは「肉料理と言えば焼き肉一択っしょ」と言っているパリピおじさんと変わりないではないか!
料理好きを自負する僕としてはなんとも忸怩たるものがあります。
ということでソーセージを使った料理のレパートリーを増やすべくソーセージと根菜が共演するようなちょっと凝った料理を試してみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:100分-
- ソーセージ:2本
- 根菜類:じゃがいも、山芋、ごぼう、蓮根、さつまいもなどあり合わせのもの
- オリーブオイル:12g(大匙1)
- 粗挽きブラックペッパー:適宜
[調味料パート]
- 酒:15g(大匙1)
- 塩麹:大匙2なければ鶏がらスープの素を小匙1/2
【作り方】
- [調味料パート]を合わせてよく混ぜておきます。根菜類は山芋、じゃがいも、蓮根、さつまいもは皮付きのまま5mmの半月切りにします。ごぼうはささがきにして5分水に晒してアクを抜きます。根菜類をボウルに入れ[調味料パート]を加えてよく和えます。そのまま1時間漬け込みます。 ※山芋は切り口に大き目のフォークを刺してコンロの直火でまんべんなく炙り皮を焼いてから半月切りにしましょう。
- 1.を待っている間にソーセージは1.5~2cm程度の斜め切りにします。
- 1.の漬け込み終わりに合わせてオーブンを180度に予熱します。1.のボウルにソーセージとオリーブオイルを加えてよく和えます。これを耐熱皿に移して粗挽きブラックペッパーを振ります。
- オーブンが温まったら3.の耐熱皿を天板に載せて下段に入れ20分焼けばできあがり。
【一口メモ】
- 塩ダレに漬けこんだ根菜は焼くと香ばしい香りが立ってソーセージの燻製香とせめぎ合いながら独特の風味を醸し出してくれます。塩気の系統もソーセージとは少し違って食べ進めても飽きの来ない一品ですよ。
- できれば根菜を漬け込む塩ダレは塩麹を使うことをおススメします。手持ちがなければ塩ではなく鶏がらスープの素のようにちょっとやんちゃでジャンクな風味を持つ調味料の方がソーセージの風味に合うと思います。
- このレシピでは塩だれに漬け込む時間を夕飯に間に合わせるよう1時間としていますが時間に余裕があれば冷蔵庫で2日ほど漬け込んでください。旨味がぐんと増して格別のごちそうになります。お試しあれ。