岡山大学を卒業して大阪の会社に就職したので1988年は僕にとって生活が大きく変わった年でした。
住み慣れたアパートも引き払い通い慣れたお店にさよならをして、見慣れぬ街の中で暮らし始める──
って昭和の歌謡曲かニューミュージックみたいなフレーズだな(笑)
新しい暮らしを始めて最初にしたことのひとつは「行きつけの飲み屋を作る」ことでした。
僕はわりと同じ店にずっと座り続けるタイプの酒飲みなので居心地の良い場所は必要不可欠なものだったのです。
店は──実家から徒歩2分の場所に見つかりました(近っ)。
それから結婚するまでの8年ほどの間に何百回もその店の暖簾をくぐり続けることになるとはさすがにその時は考えもしなかったのですが。
店は焼き鳥屋の看板を上げていたので主力商品は鶏の炭火焼でした。
中でも鶏もも肉をまるごと1枚タレに浸けて豪快に焼き上げる「もも焼き」は看板商品でした。
創業以来追い足しで使い続けられるタレで焼き上げられる鶏肉はホント旨かったなぁ。
結婚して、また別の街に住むことになったので足が遠のいてしまいましたが今でも店は続いています。
ご主人も奥さんもそこそこのご年配だったので既に鬼籍に入られているでしょうけど息子さんが3人いたのでどなたが継がれたのでしょう。
過日、鶏もも肉の2枚入りのパックを格安でゲット。
懐かしのもも焼きを作りたかったのですがあのタレの味を知っている身としては似て非なる料理を作っても切なくなるだけ。
ならいっそまるで別の料理を作ってやるべと思った次第。
山賊焼きと呼ばれる料理は大きく2種類あります。
ひとつは信州の名物で「焼き」と言いながら甘辛いタレに浸けてから揚げる料理。
もうひとつは山口の名物で骨付きのもも肉を照り焼き風のタレに浸けてオーブンや炭火で焼くいわば和風ローストチキンというべき料理。
今回作ったのは信州版の方です。
【材料】(2人分)
-調理時間:5分-
- 鶏もも肉:2枚
- 片栗粉:適宜
- 揚げ油:60g(大匙5)
[漬けダレパート]
- 濃口醤油:36g(大匙1)
- 味醂:18g(大匙1)
- 酒:15g(大匙1)
- はちみつ:7g(小匙1)
- おろしにんにく:ひとかけ分
- おろし生姜:ひとかけ分
【作り方】
- 鶏肉の皮目にフォークでまんべんなく穴を開けます。[漬けダレパート]を合わせてよく混ぜます。これらをビニール袋に合わせて30分漬け込みます。
- フライパンに揚げ油を入れて2分強火で温めます。それをやっている間に1.の鶏肉の水気を切って片栗粉を薄くまぶします。
- 鶏肉をフライパンに入れて片面3分ずつ揚げ焼きにします。仕上げに電子レンジの500ワットで1分チンすればできあがり。
【一口メモ】
- 言ってしまえばでっかい唐揚げと言えないこともないのですが、でっかい分表面のカリカリ感と中のジューシー感はぱないです。切り分けで食べるほうが食べ易いですができれば豪快にかぶりついてください。
- お好みで七味唐辛子や粉山椒を振っても美味しいですよ。
- 一般にはもも肉を使う料理ですがヘルシーに胸肉を使うのもありです。お財布的にもだいぶ安上がりに作れますよ。