僕はどうにも生来不器用な質らしく料理を作るのはわりと得意なのですが「美しく盛り付ける」ということに関してはイマイチなようです。
なんかいびつになる。
型くずれする──挙げ句には崩壊するなんてこともままあります。
チキンライスがはみ出しまくってぐちゃっとなったオムライスを何度作ってしまったことか^^;
そういえばアニメ「氷菓」に触発されて高山名物のぎせ焼き(擬製豆腐)を作ったことがありました。
潰した豆腐と細切りにした野菜に卵を加えて焼く一種の卵焼きなのですが卵焼き器から皿に移そうとして見るも無残に崩壊させちゃいました。
かように不器用なのは今も昔も変わらないのですが変わったことといえば料理に対する経験値が増えてしたたかになったことかな。
しばらく崩壊したぎせ焼きを呆然と見ていたのですがおせち料理に使った四角いケースがあったことを思い出してまだ熱々の「それ」を(って、それって言うなよ)ぎゅぎゅっとそのケースに詰めました。
粗熱が取れてからケースに皿を載せてそっとひっくり返したらあら不思議。
きれいな直方体の思い描いていたぎせ焼きの姿がそこにありました。
近頃、自家製の白身魚フライに凝っているのですがこれもぎせ焼きと同じで僕が作ると身がほろほろと崩れてしまう。
で、ふと思ったのです。
だったら思い切り崩してしまってつなぎを使ってまとめて揚げれば良いのでは?
まさに逆転の発想。
まさにコロンブスの卵。
こうして一見コロッケと見紛う白身魚フライが誕生したのでした。
【材料】(2人分)
-調理時間:30分-
- 鱈(切り身):2切れ
- 酒:5g(小匙1)
- じゃがいも:1個
- 牛乳:適宜
- 塩、ブラックペッパー:少々
- 薄力粉:適宜
- 卵:1個
- パン粉:適宜
- 揚げ油:適宜
【作り方】
- じゃがいもは小さめの際の目に切って小鍋に入れひたひたの牛乳を加えてひと煮立ちさせます。弱火にして蓋をし、6分茹でます。火を切ってそのまま6分置き余熱で芯まで火を通します。
- 1.をやっている間に鱈を耐熱皿に入れて酒を振ります。ラップをして数カ所金串で穴を開け電子レンジの500ワットで2分半チンします。粗熱が取れたら皮と骨を取って手で身をほぐしておきます。このタイミングで玉子は器に割り入れよくほぐしておきます。
- 1.のじゃがいもをボウルに移して(牛乳はほとんどなくなっているので鍋の中身まるごと移してOK)塩、ブラックペッパーを振ってポテトマッシャーですりつぶします。
- 揚げ油を170度の中温に温めます。待っている間に3.に鱈を加えてよく混ぜ4等分して小判型に整形します。薄力粉を薄くまぶし卵をくぐらせてパン粉をまぶします。
- 4.を木杓子に載せてそっとスライドさせるように押して揚げ油に投入します。そのまま1分半揚げて下面が固まったら菜箸でひっくり返して更に1分半揚げればできあがり。 ※一度に多く揚げると油の温度が下がってしまうので2個ずつ程度に揚げましょう。
【一口メモ】
- 見た目はコロッケっぽいのですが食べてみてびっくり。紛うことなきお魚フライ。しっかり海の味です。ま、じゃがいもはつなぎになる程度に必要最小限にしか加えていないのでこの味になるのも自明かな。
- 料理名をどうしましょうとしばし思案。で、じゃがいもと鱈を使ったお魚フライだから「じゃがたらフィッシュフライ」と命名しました。『じゃがたらお春』で有名なジャガタラ(ジャカルタの古称)とひっかけているのですが。ジャカルタから伝来したジャガタラ芋が転じてじゃがいもと呼ばれるようになったわけで、ただの駄洒落とも言えまいと独りごちております。
- 合わせるソースのオススメはなんと言ってもタルタルソース。手持ちがなくても粗くみじん切りにしたゆで卵とみじん切りにした福神漬や紅生姜を合わせてマヨネーズで和えれば自作できます。ほんの少しレモン果汁を加えると美味しいですよ。
- それ以外にもウスターソース、とんかつソース、トマトケチャップ、チリソースなどお好きな味付けでどうぞ。変わったところではサラダのドレッシングをかけても面白いですよ。
- このレシピはプレーンな味を楽しむために敢えてスパイスを加えていませんがナツメグ、シナモン、クローブ(パウダー)などを変わると風味が変わって楽しいです。カレー粉を加えると子供さんが喜びそうですよ。