コンビニやスーパーのレジで列に割り込もうとするおばちゃんがいた──なんてSNSで話題になっているのを見かけることがあります。
おばちゃんの言い分はこう。
「あたし、ペットボトル1本だけなんだからすぐに済むでしょ。先にやってよ」
このおばちゃんの理屈は倫理的にはもちろんダメ。
でも一見すると合理的にも見えるのが厄介なところです。

ペットボトル1本なら精算は30秒程度。
それくらいなら列に並んでいる人の負担にもならないし、めんどくさいおばちゃんはさっさといなくなってくれる──
それはそれでありかな……って、もし、あなたがレジ担当だったら間違ってもそんなことを考えてはいけません。
このおばちゃんにはちゃんと列の後ろに並んでくださいねと、言うべきです。

なぜなら、このおばちゃんのわがままにはとんでもないリスクが潜んでいますから。
ちょっと、想像してみてください。
おばちゃんが先に精算してもらうのを見ていたおじさんが、学生が、おじいちゃんが、小学生が……、
ペットボトル1本持って割り込んで来るかもしれないじゃないですか。

そうなったら、あなたに彼らを拒む権利はなくなってしまいます。
「なんで、あのおばちゃんだけ特別なんだよ」と詰め寄られる未来しか見えません。
近年、「名もなき家事」という言葉を聞くようになりました。
いわゆる、炊事、洗濯、掃除など誰もが家事と認識できるものに対して、それが家事とは認識されにくい雑事を指す言葉。
例えば、トイレットペーパーの交換、洗剤の補充、あるいは机の上に転がっているボールペンをペン立てに戻して机の上をすっきりさせるといったことが「名もなき家事」にあたります。

どれもひとつひとつは1分もあれば片付く雑事なので、気づいたそばからやってしまいたくなりますが……、気づいたからといって、その場で手を付けてはいけません。
その名もなき家事はあの『ペットボトルおばちゃん』なのです。
うっかりそれに手を付けてしまったら、「そういえばあれもやらなきゃ」「これもやらなきゃ」と頭に浮かんできて、気が付けば他の人のペットボトルまで次々と先に精算しているかもしれません。
その結果──もう日が暮れてきたのに、今日やろうとしていたことが何一つ終わっていない(ちゃんとレジに並んでくれていた人たちの列が全然さばけていない)、なんてことになりかねませんから。

「名もなき家事」に気付いた時にあなたがするべきことはただ一つ。
「●●をする」とメモして、すぐに忘れること。

そして、本来今日やろうとしていた家事の作業に戻りましょう。
「名もなき家事」を賢くこなす方法は時間枠を決めてまとめてやること。
元々、ひとつひとつは1、2分で終わるようなことばかり。
書き留めておいた「名もなき家事リスト」を見ながら集中してやれば案外30分くらいで終わるものです。

なので、1日の中で例えば夕方の4時から30分はペットボトルおばちゃんタイムと称してわがままな家事たちに付き合えば、本来の行列もペットボトルの行列もさばききれます。
とはいえ──気が付けば夕方。
今日やろうと思っていたことは何も終わっていない。
「夕ご飯どうしようかな」なんてぼんやり考えている──そんな日もありますよね。

夕飯の献立を考える気力も湧かないそんな時のために、こういったパパっと作ってしまえるレシピをストックしておくと助かりますよ。
ただし、この料理は調理時間いっぱい、調理台から離れられません。
ゆめゆめ、ペットボトルおばちゃんに声をかけられてもそっちの方にふらふらっと行かないようにしてください。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- じゃがいも:中サイズ1個
- 玉ねぎ:1/4個
- バター:10g
- 削り節:適宜
- 青のり:適宜
[調味料パート]
- 蕎麦の返しまたはめんつゆ:小さじ2
- 酒:7.5g(大さじ1/2)
- 味醂:9g(大さじ1/2)
【作り方】
- じゃがいもを茹でるお湯(分量外)を沸かします。待っている間にじゃがいもを洗って皮付きのまま食べやすい大きさに切ります。お湯が沸いたらじゃがいもを加えて中火で4分茹でます。茹で上がったらざるに上げて湯切りします。
- 1.と並行して玉ねぎを細切りにします。バターを5gずつに2等分しておきます。[調味料パート]を合わせてよく混ぜておきます。
- フライパンにバター5gを入れて中火にかけます。これにじゃがいもと玉ねぎを加えてじゃがいもに焼き色が付くまで2分ほど炒めます。これに[調味料パート]を加えて水気がほぼなくなるまで炒めます。
- 3.の火を止めて残りのバターを加えてざっくり混ぜて溶かします。これを器に盛って削り節、青のりを散らせばできあがり。
【一口メモ】
- バターで炒めたじゃがいもと玉ねぎに蕎麦の返し、味醂、酒を絡めて仕上げました。トッピングはかつお節と青のり。しっかりバター風味なのに和のテイストなのが面白い(笑)
- 本家のじゃがバターはバターに塩で味付けしますが、個人的には、塩だけで仕上げるよりもバター醤油の方が風味豊かに感じます。あ、塩バター派の方、ごめんなさい。
- 蕎麦の返し、めんつゆの手持ちがない場合は代わりに同量の醤油(12g(小さじ2))と砂糖3g(小さじ1)を加えて味醂の量を12g(小さじ2)に増やしてください。

