生まれて初めて作った料理は何ですか?と訊かれたら「ミルクセーキ」と僕は答えます。
あれは小学校2年生の頃だったかな。
学研の科学の特集記事かなにかでミルクセーキの作り方が載っていたのです。
卵を卵黄と卵白に分離する→卵白を泡だて器で泡立ててメレンゲにする→卵黄、牛乳、砂糖を加えてよく混ぜればできあがり。
透明だった卵白を泡立てるとふわふわのメレンゲになるのが不思議で夢中になりました。
なにげに子供の科学への興味を掻き立てる良い教材だったな。
とまれ、その生まれて初めての料理で僕は「卵を卵黄と卵白に分離する」というテクニックを覚えました。
初めての料理でそれを覚えたとなんて凄いじゃん(自画自賛)。
そのテクニックは後に製菓を勉強する中で欠かせないものになりました。
けど、何も製菓だけじゃない──卵黄と卵白を分けて使うことで普通の料理も幅がぐんと広がることをもっと後に知りました。
それ単体になることで風味の濃厚さが増す卵黄。
空気を含ませればふわりと食感が変わる卵白。
別々に使っても良いし。
それぞれの特性を活かした上で再度合体させても良い。
いろいろな使い方があるのです。
さしずめこの料理は後者。
卵白は納豆を包み込んでふんわりとした食感を与え卵嚢は濃厚なソースの役割を果たす。
ちょっとおもしろい卵かけごはんになりました。
【材料】(1人分)
-調理時間:5分-
- ご飯:1膳分
- 卵:1個
- 納豆:1パック
- 梅干し:1個
- ポン酢:12g(小匙2)
- 焼海苔:2、3枚
【作り方】
- 卵は卵黄と卵白に分けます。納豆は添付のタレと辛子を加えてよく練り混ぜます。梅干しは種を外してよく叩きます。焼海苔はキッチンばさみで細切りにします。
- 納豆と卵を合わせてよく混ぜます。更に梅干し、ポン酢を加えてざっくり混ぜます。
- 梅干しとポン酢を加えてからは混ぜすぎないようにするのがコツ。味に濃淡のムラができて楽しいです。
- 茶碗にご飯を盛り2.をたっぷり載せて中央をくぼませ卵黄を乗せます。刻んだ焼海苔を散らせばできあがり。
【一口メモ】
- 単なる納豆入り卵かけご飯なのにきっちり主菜の貫禄を持つご馳走になっています。梅風味のポン酢ってめちゃ旨い。焼海苔の風味も良い仕事をしていますね。
- 味付けは他にもわさびや柚子胡椒を使っても楽しいです。焼海苔の代わりに鰹節ってのもありだな。
- 梅干しの代わりに手持ちがあればカリカリ梅を使うと食感にアクセントが加えられて楽しいですよ。