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和麺

ピリ辛肉蕎麦Ver.2

うちの近所に夜はバー。

ランチタイムは定食を出すお店があります。

そこのランチのウリは何といってもメニューの豊富さとコスパ。

定食はどれでも800円。

丼物も全て800円。

各種カレーも800円といった潔い価格設定になっております。

けど、メニューを見るたびにそこはかとなく「理不尽な気がする」と感じることがひとつありまして……。

「海鮮丼」は800円なのに、「やきそば定食」も800円なのです(笑)

僕が子供時代を過ごした昭和の頃は、良くも悪くも物の価値が即物的で、高級な料理といえば高級な食材を使っているものと相場が決まっていました。

しかもキャビアやトリュフなど多くの客にとって未知である高級食材が使われているのではなく、おかずのプレートにドンとでっかいステーキが載っているような分かりやすい料理がありがたがられていましたね。

例えて言えばオーケストラのコンサートの演目がベートーヴェンの交響曲だと演奏内容とは無関係に「なんか凄かった」、「さすがベートーヴェン」とありがたがるけど、モーリス・ラヴェルやエドワード・エルガーだと会場に足を運びすらしないという感じ。

そのくせ、ラヴェルの「ボレロ」やエルガーの「威風堂々」や「愛の挨拶」を聴かせると途端に「あ、行ってみようかな」という人が続出した気がします。

そんな曲知らないという方はどの曲もYouTubeなどで無料で視聴できるのでちょっと聴いてみてください。

恐らく……、「あ、この曲かぁ」と言う気がします。

そんな価値観を刷り込まれて育ったので、60を過ぎた今になっても海鮮丼とやきそば定食が同じ値段という事実に僕は理不尽さを感じてしまうんでしょうね(笑)

ネットが発達して情報過多になった令和の価値観は、昭和の価値観とはずいぶん様変わりした気がします。

そもそも皿にステーキが載っていたくらいではありがたがりません。

客にありがたがってもらうには、A5等級、〇〇県の■■さんが3年手塩にかけて育てた希少牛のイチボ肉を使っています──くらいの情報量が必要です。

さらに「ラ・メゾン・ドゥ・ロブラックで3年修行をした当店シェフ自ら調理します」とか「ガルニチュールに使われている野菜は脂肪燃焼を高める効果のあるものを厳選」といった情報を付加すれば完璧。

外食自体が非日常の特別な体験だった昭和人にとって料理の価値は「分かりやすい贅沢やステータス」でした。

その点、日常的に外食をする令和人にとってのそれは「ストーリー、体験、健康、オリジナリティ(その店でしか得られない特別感)」へとシフトしたみたいです。

その両方の時代を生きてきている僕はどうかというと、外食する時はわりと令和チックな価値観を重視している気がします。

誰かに話したくなるような体験ができるお店を意識して探しているかな。

けど、家で自炊する時は昭和に戻ってるなぁと実感。

例えば、ただのお蕎麦に豚肉を少しプラスしたこの一杯を食べるだけで幸せな気分になったりして。

「なんか、今日は肉入りの蕎麦で贅沢をしたなぁ。ごちそうさま」

なんて独り言ちております。

【材料】(1人分) 

-調理時間:12分-

  • 蕎麦:乾麺1束または生麺1玉
  • 豚バラスライスまたは豚こま:50g
  • エリンギ:半本
  • 刻み葱:少々
  • 辣油:適宜

[つゆパート]

  • 鰹出汁:300g(カップ1.5)
  • 蕎麦の返し:大さじ2、またはめんつゆ(カップ1.5の出汁に合わせて、パッケージの記載に従ってください)
  • 豆板醤:6g(小さじ1)
  • ごま油:4g(小さじ1)

【作り方】

  1. 豚肉、エリンギは食べやすい大きさに切ります。小鍋に豚肉、エリンギ、[つゆパート]を合わせて中火にかけひと煮立ちさせます。アクを取って蕎麦が茹で上がるまで弱火で煮ます。
  2. 1.と並行して蕎麦を茹でる湯(分量外)を沸かします。これに蕎麦を加えてパッケージに記載の通りの時間茹でます。茹で上がったらざるに上げて流水で〆ます。
  3. 丼に蕎麦を入れて1.を具材ごと注ぎます。仕上げに刻み葱を散らして辣油を好みの量、回しかければできあがり。

【一口メモ】

  • ランチタイムの献立はついつい「うどん!」とか「蕎麦!」になりがちですよね。けど、それも頻繁に続くと飽きてきます。この料理は基本的にはかけ蕎麦なのですが、ピリ辛テイストにすることで目先を変えています。普通のそばに飽きてきたらぜひどうぞ。
  • ピリ辛と言いつつ、豆板醤を利かせているのでけっこう辛いと思います。辛いのが苦手な方は豆板醤の量を加減してください。仕上げの決め手は辣油。これを回しがけると良いアクセントになるのだ。
  • この蕎麦はごまの風味と相性が良いので、つゆにごま油を仕込んでいます。仕上げに炒りごまやすり胡麻をかけると香りの追撃になって食欲ましましになりますよ。

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