昔は良かった──
なんて懐古趣味に浸るのはどうにも僕の性に合わないのですが、「昔はどんなだったろう」と好奇心の食指を伸ばすのはけっこう好きだったりします。
で、タイムマシンはまだ実現していないので未来の生活を僕らが体験することはできませんけど、過去の生活ならただ想像するだけでなくいつでも体験することができます。
例えば……
インターネットがない生活を体験!
スマホやパソコンの電源を切って一週間ばかり暮らせばとっても堪能できます。
車も電車もなかった江戸時代の暮らしを体験!
週末、徒歩のみで生活すれば「ああ、江戸時代の人のスピード感覚ってこんな感じだったんだなぁ」と実感することができます。
ま、道路は未舗装だったり、そもそも道が整備されていなかったりしたはずなのでもっと大変だったとは思うのですが。
同様に江戸庶民が食べていたものを味わってみたい──
なんてことを思うならばイマドキはネットでいくらでもレシピ情報など入手できるのでわりとお手軽に体験できたりするのです。
そんな疑似タイムトラベルをやってみると気付くことがあります──
「案外、問題なく生活できるじゃん」
なんてね。
ま、その時代の人は一生その生活をしていたわけなので当たり前といえば当たり前のことなのですが慣れてしまえば言うほど不便じゃないかもと思うことはたくさんあります。
料理で言えば調味料は「さしすせそ」さえあれば十分じゃね?
と思ったりして。
さしすせそは調味料の頭文字、砂糖、塩、酢、醤油、味噌(味噌だけは頭文字じゃないのです)を指す言葉です。
少なくとも和食はこれさえあればなんとでもなる気がします。
わが家の冷蔵庫には各種ソース、タレ、粉末調味料等々が所せましと並んでいますが実はなくても困らないんじゃない?
なんて思っちゃいます。
例えばこんな小鉢料理を作るにしても必要になるのは酢と砂糖とひとつまみの塩のみ。
昔の人が食べていた料理は意外とシンプルだなと気づくのです。
【材料】(1人分)
-調理時間:13分-
- 蓮根:半節
[煮汁パート]
- 酢:30g(大匙2)
- 砂糖:9g(大匙1)
- 鷹の爪(小口切り):半本
- 塩:ひとつまみ
- [仕上げパート] ポン酢醤油:5g(小匙1)
【作り方】
- 蓮根は1mm厚にスライスし水(分量外)に5分晒してざるに揚げます。
- 1.をやっている間に[煮汁パート]を小鍋に合わせてひと煮立ちさせて火を止めておきます。
- 2.に1.を加えて弱火で3分煮ます。火を止めて[仕上げパート]を加えざっと混ぜればできあがり。
【一口メモ】
- けっこう鮮烈な酸味が舌の上で踊ります。鷹の爪の辛さが後からじわっと襲ってくるのも楽しい。
- 風味の肝は仕上げに加えるポン酢。これを加えると古臭い風味だった小鉢料理が一気に華やかに変貌します。安い穀物酢などを使うとちょっと香りがきつくなるのですがこのひとたらしでまるで気にならなくなります。
- 蕪、大根、きゅうりなどを使っても美味しく作れます。だいたいピクルスに向く野菜であればなんでもありですよ。