深夜アニメか何かのネタだったと思うのですが、「ハンズフリーな傘」というのを観た覚えがあります。
ドローンが柄のない傘をぶら下げて空中でホバリングする。
その傘の下に入れば両手が空いたまま雨に濡れない──という、仰々しい仕掛けではありますが、わりとナイスなアイデアな気もしたな。
ところが……。
心優しいヒロインは
「それだとドローンさんだけ雨に濡れちゃってかわいそう。そうだ!」
とひらめきます。
「私が傘を差してあげればいいんだ!」
──と、さらにナイス(?)なアイデアを思いつくのです。
……
ニコニコ動画だったら「意味ねぇ!」というワードの弾幕が流れているところですね。
まさに『屋上屋を架す』を地で行くギャグでした。
屋根の上にさらに屋根を作る──というのは建築的にはナンセンスですが、料理では必ずしも無意味とは限りません。
たとえば、蕎麦。
本来はつゆと麺だけのシンプルな料理だったはずが、いつの頃からか甘いお揚げや天ぷらを載せて食べるスタイルが一般的に。
ラーメンだって、スープと麺があれば成立するはずなのに、チャーシュー、味玉、メンマ、海苔などが載っていないと物足りないと感じるもの。
中には「全部のせ」なんて我がままを言い出す人も……。
かくいう僕も、初めてビッグマックを見た時はその欲望にまみれた姿に目が釘付けになりました。
「お小遣いを貯めてでも、いつか食べてやる」
と心に誓ったのを覚えています。
まだ、小学生だったなぁ。
さて、過日──朝起きたら「味噌マヨ炒め」というワードが、脈絡もなく脳裏に浮かびました。
夕飯のおかずは、お肉と野菜をその味付けでいただこう、と早々に決定。
……ところが、ふと魔が差したのです。
「本当にそれでいいのか?」──味噌マヨ炒めに、白ご飯と味噌汁なんて、あまりにも平凡すぎるじゃないか。
そんな“心の中の悪魔のささやき”に導かれて、気がつけば、こんな欲望にまみれた料理を作ってしまっておりました。
【材料】(1人前)
-調理時間:15分-
- ご飯:1膳分
- バター:10g
- 白ワイン:7.5g(大さじ1/2)
- 豚ローススライス:100g
- 玉ねぎ:1/4個
- サラダ油:6g(大さじ1/2)
- ドライパセリ:適宜
[豚肉の下味パート]
- 酒:7.5g(大さじ1/2)
- ホワイトペッパー:ひと振り
[トッピングの調味料パート]
- マヨネーズ:6g(大さじ1/2)
- 味噌:6g(小さじ1)
- 濃口醤油:3g(小さじ1/2)
[ケチャップライスパート]
- トマトケチャップ:37.5g(大さじ2.5)
- 中濃ソースまたはトンカツソース:9g(大さじ1/2) お好み焼きソースでもOK
- コンソメスープの素(顆粒):2g
- おろしにんにく:ひとかけ分
- 塩、ブラックペッパー:少々
【作り方】
- 豚肉は食べやすい大きさに切り、[豚肉の下味パート]をまぶしておきます。玉ねぎは細切りに。ご飯にバターを加えてよく混ぜ込みます。
- フライパンを中火にかけて、バターご飯を加え、1分ほど炒めます。これに白ワインを振って、ご飯をパラパラに仕上げます。
- ご飯をフライパンの端に寄せ、[ケチャップライスパート]のケチャップを脇に加えます。ふつふつと煮立ってきたら残りの[ケチャップライスパート]を加え、手早くご飯に混ぜ込みます。これを深皿に盛り付けておきます。
- フライパンを洗うか、別のフライパンにサラダ油を入れて強火にかけます。煙が立ってきたら、豚肉と玉ねぎを一気に炒めます。[トッピングの調味料パート]を加えて全体に絡めながら炒め、火を止めます。 ※豚ロースは火力が弱いとフライパンにくっつきやすいので、強火で一気に焼くのがコツです。
- ケチャップライスの上に炒めた具材を盛り付け、ドライパセリを散らせばできあがり。
【一口メモ】
- ご飯とおかずを**“合体させた”ワンプレートランチ**的な一皿です。名前に“ランチ”とありますが、夕飯の主菜にも十分なボリュームです。
- バター醤油のように、洋食に醤油を隠し味として使う技法は一般的になりましたが、味噌もなかなか侮れません。独特のコクと風味が加わり、“ごちそう感マシマシ”になります。
- 野菜は玉ねぎのほか、人参・ピーマン・きのこなど、ありあわせの食材を加えてもOK。栄養バランスがぐっと向上します。